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夜泣きで起きない夫にむかつく…イライラを溜め込まない伝え方

深夜、赤ちゃんを抱っこしてあやす疲れた表情の母親と、隣でぐっすり眠る父親のシルエット 夜泣き

「夜泣きでも起きない夫」にむかつく気持ちは、あなただけが感じているものじゃない。

文教大学教授で家族心理学者の布柴靖枝先生いわく、この状況の根っこにあるのは夫個人の性格ではなく、夫婦の間に生まれる「不公平感」なの。

だからこそ大切なのは、怒りをぶつけるだけでも、ひとりで我慢を重ねるだけでもない「伝え方」よ。

今日はそのコツを、家族心理学の専門家や臨床心理士の解説、そして育児漫画の体験談をもとに、わたしなりの視点も交えてお届けするわね。

「夜泣きでも寝てる」夫にイライラするのはなぜ?

結論から言うと、これは夫婦の間にある「不公平感」が引き起こすイライラなの。

文教大学教授で長年夫婦カウンセリングを担ってきた布柴靖枝先生は、子育て中の家族向けメディアのインタビューで、こう指摘しているわ。

「実は夫婦の不仲の原因はほぼ、この不公平の感覚なんです」

一晩中泣き止まない我が子を抱っこし続け、フラフラで朝を迎えたとき、隣で一度も起きずに眠っていた夫から「え、泣いてたの? 全然聞こえなかった」と言われる。

この瞬間のむかつきは、単なる寝不足のイライラだけじゃなくて、「なぜ私だけが担当なの」という不公平感から生まれているのね。

SNSでもこの場面のモヤモヤをつぶやく声は多いけれど、そこに「そんな夫を選んだあなたが悪い」という心ない言葉がセットでついてくることも少なくないわ。

でも布柴先生によれば、これは目の前の夫個人だけの責任ではないの。

この視点を知っているかどうかで、夫への伝え方はずいぶん変わってくると、わたしは思うわ。

なお、布柴先生のこの見解は「不仲の原因のほぼすべてが不公平感」というかなり踏み込んだ言い方だけれど、これは長年の夫婦カウンセリングの臨床経験にもとづく実感としての発言であり、大規模な統計調査の数値ではない点は押さえておきたいところ。

一つの目安として受け止めつつ、自分たち夫婦の状況と照らし合わせて考えるのがいいと思うわ。


夜泣きにキレる夫・気づかない夫の背景にあるもの

なぜ父親は我が子の泣き声に気づかず眠れてしまうのか。答えは、育ってきた社会の構造にあるの。

布柴先生の解説によると、父親が夜泣きで起きないのは「それが自分のやることではない」「夜泣きで目が覚めるのは母親の役目」という思い込みがあるから。

そしてこの思い込みは、これまで夫が育って生きてきた社会の構造に根ざしているのよ。

日本では戦後の高度経済成長期に「男は外で仕事」「女は家で家事・育児」という役割分担が広く定着し、大半の家庭で夜泣き対応は母親がメインで担ってきた歴史があるわ。

父親が関わる場合も、あくまで「手伝う」という位置づけだったの。

時代は変わり、今は子どものいる夫婦の8割前後が共働きとされているわね。育児をする父親も年々増えているわ。

平成の流行語大賞にもなった厚生労働省の「イクメン」プロジェクトは、2026年7月に「共育(トモイク)」プロジェクトへと名前を変えたの。国も、夫婦がともに育児を担う方向へ舵を切っている証拠と言えるわね。

けれど、今父親になっている世代の多くは、「夜泣きで起きる父親」というロールモデルを実際に見て育ってきたわけではないの。

厚生労働省の調査でも、父親の育児休業取得率はここ数年で大きく伸びたとはいえ、まだ3割程度にとどまっているとされているわ。

つまり夫婦は共に働き共に育てるという価値観は広がっているのに、社会の実態や父親自身の意識がそこに追いついていない。このギャップが、「夜泣きにキレる夫」「気づかない夫」を生んでいる背景なのよね。

私見だけれど、この構造を知っておくと「なんでこの人はこんなに鈍感なの」という怒りが、「ああ、彼もまだ社会が用意してくれなかったロールモデルの中で戸惑っているんだな」という少し違う見方に変わる瞬間があると思うの。

怒りを消す必要はないけれど、伝え方の土台にはなるはずよ。

※画像はAIによるイメージ

むかつきを我慢しない、溜め込まないための伝え方

ここが今日いちばん伝えたいところ。

イライラを我慢するのでも爆発させるのでもなく、「仕組み」に変える伝え方が効果的なの。

布柴先生が勧めるのは、まず「育児は二人でやる」と夫婦で確認し合うこと。

そのために「手伝う」を家庭内の禁止ワードにして、夫婦二人が対等な「育児主任」になるという考え方よ。

具体的にはこんな工夫が紹介されているわ。

  • 育児本やネットで得た情報はそのつど夫婦で共有し、同時にトレーニングを積むと考える
  • 赤ちゃんの泣き声に反応するセンサーがあれば夫側に設置し、物理的に泣き声を聞き取りやすくする
  • 夜泣き担当を当番制にする(例:平日は妻・週末は夫)
  • 日中の昼寝で睡眠時間を補う

実際、たまひよの子育て漫画連載で知られる漫画家・青鹿ユウさんの体験談『ふうふう子育て』でも、夫婦で時間帯を区切って夜泣き対応を分担する工夫が描かれているわ。

青鹿さん夫婦は夫の担当を21時〜朝3時、妻の担当を朝3時〜9時と決め、担当時間外はお互いに頼まない限りぐっすり眠っていいというルールを作ったの。

夫は新生児の頃から主体的に育児に関わり、ワンオペもお手のものだったそうだけれど、それでも連日の対応と仕事の疲れが重なった夜、思わず「あーー!!」と声をあげてしまう場面があったそう。

これは、どんなに分担の仕組みを整えても、それぞれの限界がある日突然訪れうるということを教えてくれるエピソードだと思うわ。

仕組みは万能ではなく、その日の体調や余裕によって崩れることもある。だからこそ「今日は代わって」と言い合える柔らかさも、仕組みと同じくらい大事なのよね。

これからお子さんを迎える夫婦であれば、妊娠中から父親学級などに参加して、育児をする父親のロールモデルに触れておくのも予防策になると布柴先生は話しているわ。

出産前から「生まれたら夫婦で同じように赤ちゃんの世話をする」と繰り返し確認しておくことが、「夜泣き対応は母親」という思い込みの予防になるの。


「むかつく」を伝えるときの言葉選び

仕組みづくりと同じくらい大切なのが、日々の言葉のかけ方よ。

臨床心理士としても子育てをしてきた鈴木なつこさんの解説によれば、夜泣きに心ない言葉を発してしまう夫の多くは、「まだ自分の子どもであるという認識が育っていない」ことが背景にあるそうなの。

母親のお腹の中で育ててきた実感がある母親と違い、父親としての自覚がまだ持てず、子どもを「お母さんのもの」のように捉えてしまっている可能性が高いというわけ。

この場合、いきなり大きな役割を求めるのではなく、できることから少しずつ育児に混ぜていくことが有効だと鈴木さんは言うわ。

  • 休みの日にミルクを作ってもらう
  • 沐浴を手伝ってもらう

そして何か一緒にお世話ができたときは、責めるより先にこんな言葉をかけてみて。

「お父さんのおかげで助かった」

「お父さんが一緒にしてくれたおかげで、〇〇(お子さんの名前)も喜んでる」

こうした父親の必要性を実感させる言葉かけが、夫の“子育て意識”を少しずつ変えていくというの。

もちろん、むかつく気持ちをすべて飲み込んで褒めてばかりいる必要はないわ。「私だってつらい」ということはきちんと言葉にしていい。

ただ、責めるだけでは夫は防御的になりやすく、かえって心を閉ざしてしまうこともある。だから「事実+感情+お願い」の順で伝えるのがコツだと、わたしは考えているの。

例えば「昨日も夜泣きがひどくて(事実)、ひとりで対応してすごく心細かった(感情)。次はセンサーの音で気づいたら声をかけてほしい(お願い)」というように。

責める言葉より、具体的な行動をお願いする言葉の方が、夫にとっても動きやすいはずよ。

※画像はAIによるイメージ

何もしない・怒るだけの夫にはどう対応する?

夜泣きに対して「うるさい」「いつまで泣かせるんだ」と怒る夫の場合も、根っこにあるのは同じく「父親としての自覚の薄さ」であることが多いの。

これは前述の鈴木なつこさんの解説とも重なるけれど、赤ちゃんへの心ない言葉は、子どもや母親への攻撃というより、戸惑いや不慣れの裏返しであることが少なくないのよね。

ただし、ここで大事な線引きがあるわ。

単なる寝不足からくる不機嫌と、日常的に威圧的な態度で相手をコントロールしようとする言動は、はっきり区別して考える必要があるの。

肉体的な疲労やストレス、環境の変化からくる一時的な苛立ちであれば、前述したような分担の仕組みづくりや言葉かけの工夫で、少しずつ関係は変わっていく可能性が高いわ。

一方で、謝っても謝っても機嫌を損ねないよう気を遣わされ続ける、恐怖心で行動をコントロールされていると感じる場合は、それは夜泣き対応の話を超えた問題である可能性も否定できない。

その場合は、一人で抱え込まず、かかりつけの医師や自治体の相談窓口、専門家に相談することも視野に入れてほしいと思うの。

※画像はAIによるイメージ

考察—令和の夜泣き問題は「個人」ではなく「移行期」の話

ここからは記者としての私見になるけれど、今回いろいろな資料にあたって強く感じたのは、「夜泣きで起きない夫」問題は、令和という時代の“過渡期”を象徴する出来事だということ。

厚労省のプロジェクトが「イクメン」から「共育(トモイク)」へと名前を変えたのは2026年7月。

この名称変更ひとつをとっても、社会が「父親が育児を手伝う」段階から「夫婦がともに担う」段階へ意識を移そうとしている過渡期にあることがよくわかるわ。

けれど、意識の変化と実態の変化には、どうしてもタイムラグが生まれる。

父親の育休取得率は、2010年代前半には1割にも届かない水準だったのが、ここ数年で急速に伸びて3割程度まで来たとされている。

数字としては大きな前進だけれど、それでも「7割は取っていない」という見方もできるわね。このタイムラグの大きさが、今回の話の背景にあると思うの。

視野を広げると、育休制度の歴史がより長いスウェーデンでは、1995年に父親だけが取得できる「パパクオータ(父親月)」を導入し、以来数十年かけて父親の育休取得を社会の“当たり前”にしてきた経緯があるわ。

制度を作ってすぐに文化が変わったわけではなく、何十年もかけて「父親が育児をするのが普通」という空気を醸成してきた。この時間の長さを知ると、日本の「共育」への転換もまだ始まったばかりの一歩だと捉えられると思うの。

つまり、今むかついているあなたの夫は、「夜泣きで起きる父親」を実際に見たことがない世代の一人である可能性が高い。

これは言い訳にしていい話ではないけれど、少なくとも「なぜこの人はこんなに鈍いの」という怒りの矛先を、彼個人だけに向け続けても、根本的な解決にはなりにくいというのが私の実感よ。

むしろ、夫婦それぞれが「対等な育児主任」として動ける仕組みを、意識してゼロから作っていく作業が必要な時代なんだと思うわ。

上の世代のロールモデルを頼れない分、自分たちで一からルールを作る手間がかかる。これは正直、令和の子育て世代ならではの負担でもあるけれど、裏を返せば「自分たちに合った形を自由に選べる」時代でもあるとも言えるの。

たまひよの漫画のように、時間帯で分担してもうまくいかない日もある。それでも「代わって」と言い合える関係を保てるかどうかが、長い目で見た夫婦関係の分かれ道になると、わたしは考えているわ。


まとめ

夜泣きで起きない夫にむかつくのは、あなたが我慢が足りないからでも、器が小さいからでもないの。

その根っこには布柴靖枝先生の指摘する「不公平感」があり、さらにその背景には、父親が育児のロールモデルを持たずに育ってきた社会の構造があるということが見えてきたわね。

対策としては、「手伝う」を禁止ワードにして夫婦二人が育児主任になる意識づくり、夜泣きセンサーの活用や当番制などの仕組みづくり、そして「事実+感情+お願い」の順で伝える言葉選びが効果的よ。

一晩ごとのイライラは消えなくても、伝え方と仕組みを少しずつ整えることで、夫婦の間の「なぜ私ばかり」という気持ちは、きっと軽くしていけるはずだから。


よくある質問

夜泣きで起きない夫にイライラするのは普通のことですか?

はい。家族心理学者の布柴靖枝先生によれば、夫婦の不仲の原因の多くが「不公平感」に起因しているとされ、多くの家庭で見られる自然な感情です。

夜泣き対応を夫婦で分担するにはどうすればいいですか?

布柴先生の解説では、「手伝う」を禁止ワードにして夫婦ともに育児主任と位置づけ、時間帯での当番制や、夜泣きセンサーを夫側に設置するなどの工夫が有効とされています。

何もしない・怒るだけの夫にはどう接すればいいですか?

臨床心理士の鈴木なつこさんによれば、できることから少しずつ育児に関わってもらい、うまくいったときは「助かった」と父親の必要性を実感できる言葉をかけることが効果的とされています。ただし威圧的な態度が続く場合は専門家への相談も検討してください。