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花粉症で微熱・熱っぽいのはなぜ?考えられる原因と対処法

体温計と花粉情報を見ながら微熱の原因を確認する春の女性 花粉症

花粉症で熱っぽさや微熱を伴うことはありますが、37℃台でも感染症は否定できず、高熱は典型的な症状ではありません。

2026年に医療機関が相次いで公開・更新した解説と厚生労働省の資料を照合すると、体温の数字だけではなく、目のかゆみ、鼻水、悪寒、症状の経過をまとめて判断することが重要だと分かります。

花粉症で微熱は出る?2026年に医療機関が解説

結論からいうと、花粉症に伴って微熱や熱っぽさを感じることはありますが、38℃以上の高熱は一般的ではありません。

この点について、クリニックフォアは2026年1月27日に「花粉症で微熱が出ることはある?」という医師監修記事を公開し、同年7月9日に情報を更新しました。

記事では、花粉症は花粉に対するアレルギー反応であり、通常は高熱を起こす感染症ではないと説明。その一方で、アレルギー反応が強い場合や、鼻とのどの炎症が長引いた場合には、37℃台の微熱がみられることがあるとしています。

元八事ファミリー内科クリニックも、2026年2月27日に「花粉症と微熱は関係ある?」と題した記事を公開しました。

監修した浅野貴光院長は呼吸器専門医・医学博士で、花粉症の人が「体温を測ると37.2℃だった」と迷う状況を導入例として示し、鼻づまりによる睡眠不足、炎症に伴う倦怠感、副鼻腔炎やウイルス感染の併存などを確認すべき原因として挙げています。

ここで誤解したくないのは、37.2℃という数字は臨床研究で示された発生率や診断基準ではなく、患者が迷いやすい場面を説明するための例だということね。

「花粉症なら37.2℃になる」「37.2℃までは心配ない」という意味ではありません。普段の平熱が36.0℃前後の人と36.8℃前後の人では、同じ37.2℃でも体温の変化が異なるからです。

さらに、平成22年度の厚生労働科学研究補助金によって作成された一般向け冊子「的確な花粉症の治療のために」には、鼻やのどの炎症反応によって微熱やだるさが生じることがあると記載されています。

この冊子は、日本医科大学耳鼻咽喉科の大久保公裕氏が監修し、耳鼻咽喉科や呼吸器内科の専門家が作成に参加したものです。少なくとも、花粉症に微熱が絶対に起こらないとする説明は適切ではないと読み取れます。

ただし、これは2010年度の研究事業に基づく資料です。現在の診断基準として体温の境界を定めた文書ではなく、花粉症の仕組みと受診の必要性を一般の人へ伝える啓発資料として位置づける必要があります。

わたしは公的資料と2026年の医療機関記事を比較し、共通する結論を重視しました。それは、微熱感は花粉症でも起こり得るが、発熱を花粉症だけのせいにしてはいけないという点です。

医師資格を持たないライフスタイルライターとして診断は行わず、この記事では公開主体、監修者、資料の作成時期、数字の用途を分けて整理しています。健康情報では、数字の強さよりも「その数字が何を根拠に示されたのか」を見る姿勢が大切よ。


花粉症で熱っぽい原因は炎症・睡眠不足・別の病気

花粉症で熱っぽくなる背景には、鼻やのどの炎症、鼻づまりによる睡眠不足、感染症などの併存が考えられます。

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉を異物と認識した免疫が過剰に反応するアレルギー性疾患です。

花粉が鼻や目の粘膜に付着すると、ヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質が放出されます。その結果、連続するくしゃみ、透明な鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血が起こります。

鼻やのどの炎症で微熱やだるさを感じる

厚生労働省の冊子では、鼻やのどで続く炎症反応によって、微熱やだるさに悩まされる場合があると説明されています。

花粉を吸い込んだ直後の反応だけでなく、時間がたってから鼻づまりが強くなる「遅発相反応」があることも示されています。花粉が目の前からなくなっても、すぐに症状が消えるとは限らないのね。

ただし、「顔がほてる」「頭が重い」「体がだるい」という熱感と、体温計で確認できる発熱は分けて考えましょう。

鼻や目の不快感が強いと、体温が平熱でも風邪のように感じることがあります。反対に、本人はそれほど熱く感じていなくても、実際には体温が上がっている場合もあります。

鼻づまりによる睡眠不足が熱っぽさを強める

鼻づまりが続くと口呼吸になり、夜中に目が覚めたり、深く眠れなかったりします。

睡眠不足になると、倦怠感、頭重感、集中力の低下が現れやすくなります。これらが重なることで「熱が出る前のような感じ」と受け取ることがあるわ。

花粉症の炎症が直接体温へ影響しているのか、眠れなかった疲労を熱っぽさとして感じているのかは、自分の感覚だけでは区別しにくいものです。

だからこそ、熱感があるときは体温を実際に測り、睡眠時間や鼻づまりの程度も一緒に記録する必要があります。

副鼻腔炎や感染症が重なっていることもある

花粉症による鼻腔の炎症や、分泌物を外へ出しにくい状態は、副鼻腔炎に関係することがあります。

ただし、「花粉症が続けば必ず細菌感染を起こす」という単純な因果関係ではありません。ウイルス感染、鼻腔内の炎症、排出経路の状態など、複数の要素が関わります。

黄色や緑色で粘りの強い鼻水、頬や眉間の痛み、頭重感、においの低下、発熱が続く場合は、副鼻腔炎を含む別の原因を医療機関で確認しましょう。

また、花粉が飛ぶ春にも、風邪、インフルエンザ、新型コロナなどの感染症は発生します。

毎年花粉症になる人ほど、「今年もいつもの花粉症だろう」と判断しやすいものです。しかし、花粉症と感染症は同時に起こるため、過去と違う症状を見落とさないことが重要よ。

※画像はAIによるイメージ

花粉症の微熱と風邪・感染症はどう見分ける?

体温だけで完全に見分けることはできませんが、目のかゆみ、鼻水の性質、悪寒、全身症状、始まり方と経過が判断材料になります。

花粉症は、毎年ほぼ同じ時期に症状が現れ、花粉の飛散量や屋外で過ごした時間に応じて悪化しやすいのが特徴です。

一方、感染症では、急なのどの痛みや悪寒から始まる、家族や職場で同じ症状の人が増える、数時間から一日で全身状態が変化するといった経過がみられることがあります。

確認する点 花粉症で多い傾向 感染症などで注意したい傾向
鼻水 透明で水のようにサラサラ 粘りが増すことがある
くしゃみ 何度も連続しやすい 鼻やのどの症状の一部として出る
目の症状 強いかゆみ、涙、充血 典型的な風邪では目のかゆみは少ない
体温 発熱なし、または微熱にとどまることが多い 高熱を含め幅があり、微熱の場合もある
全身症状 鼻づまりによるだるさや頭重感 悪寒、筋肉痛、関節痛を伴うことがある
経過 花粉の飛散期間に長く続きやすい 急に始まり、時間とともに症状が変化することがある
周囲の状況 花粉飛散量や外出と連動しやすい 家庭、学校、職場で広がることがある

この表は診断表ではなく、受診するかを考えるための手がかりです。

例えば、透明な鼻水と目のかゆみがあっても、感染症を否定することはできません。感染症の初期には透明な鼻水だけが出ることもあり、花粉症と感染症が重なれば両方の特徴が現れるからです。

37.5℃と37.6℃は診断基準ではない

厚生労働省の「的確な花粉症の治療のために」には、「熱はない・あるいは37.5℃以下」と「37.6℃以上」を分ける質問があります。

しかし、この数字が掲載されているのは、冊子内の「あなたは花粉症?かんたん診断」という一般向けチェック図です。資料自身が、診断はあくまで目安であり、医師の診断を受けるよう明記しています。

したがって、37.5℃以下なら花粉症、37.6℃以上なら感染症という医学的な境界線ではありません。

しかも資料は平成22年度、つまり2010年度の研究事業に基づいています。体温の項目だけを現在の診断基準のように抜き出すのは避けるべきです。

37.6℃という数字は、「熱が高くなるほど風邪など別の原因も考えよう」と注意を向けるための一要素として読むのが妥当でしょう。

38℃以上でも、37℃台でも体温だけでは決められない

38℃以上の高熱は花粉症の典型症状ではなく、感染症などを考える重要なサインです。

とはいえ、感染症なら必ず38℃以上になるわけではありません。感染の初期、高齢者、基礎疾患がある人、免疫機能が低下している人などでは、37℃台にとどまる場合もあります。

反対に、普段の平熱、測定した時間、運動、入浴、食事、室温などによっても体温は変動します。一般に体温は朝より夕方に高くなりやすいため、帰宅直後の一回だけで判断するのは難しいのね。

わたしが確認してほしいのは、次の三つです。

  • 普段の平熱からどの程度上がったか
  • 悪寒、強いのどの痛み、筋肉痛などが加わっていないか
  • 数時間から数日の間に体温と症状がどう変化したか

この三点をそろえると、「37℃台だから様子見でよい」と数字だけで結論を出すより、安全に判断しやすくなります。

※画像はAIによるイメージ

花粉症で微熱が出たときの対処法と受診目安

まず安静にして体温を測り直し、水分を取りながら症状の経過を確認してください。

測定前に運動、入浴、食事をしていた場合は、落ち着いてから同じ体温計と同じ測定方法で再測定しましょう。測るたびに場所や条件が変わると、推移を比べにくくなります。

花粉症の症状が強い場合は、外出時のマスクやメガネ、帰宅時の着替えや洗顔など、花粉との接触を減らす基本的な対策を行います。

ただし、微熱がある記事の中心は花粉対策そのものではありません。大切なのは、無理に活動を続けず、感染症や副鼻腔炎を疑う変化がないかを見ることよ。

朝夕の記録で「花粉との連動」を確認する

朝と夕方の体温に加え、次の項目を二、三日記録すると、受診時に経過を説明しやすくなります。

  • 目のかゆみと充血
  • 鼻水の色、粘り、量
  • 鼻づまりと睡眠時間
  • 悪寒、のどの痛み、咳、筋肉痛
  • 外出した時間と花粉への接触
  • 服用した薬と服用時刻
  • 家族や職場での感染症の流行

これは病名を自分で確定するための記録ではありません。

花粉の多い日や外出後に目と鼻の症状がそろって悪化するのか、花粉の状況と関係なく発熱や全身症状が進むのかを、医師へ正確に伝えるためのものです。

市販薬の重複に注意する

花粉症薬と総合感冒薬には、同じ系統の抗ヒスタミン成分などが含まれている場合があります。

風邪か花粉症か分からないまま複数の薬を重ねると、眠気などの副作用が強くなる可能性があります。製品の表示と添付文書を確認し、迷う場合は薬剤師または医師へ相談してください。

妊娠・授乳中の人、子ども、高齢者、持病がある人、ほかの薬を服用している人は、自己判断で薬を追加しないことが大切です。

通常の診療時間内に受診したい目安

次の状態では、花粉症だけと決めつけず、内科や耳鼻咽喉科へ相談しましょう。

  • 37℃台の微熱が数日続く
  • 体温が上がる傾向にある
  • 強い倦怠感、悪寒、のどの痛みがある
  • 咳が長引く、または悪化している
  • 黄色や緑色の粘る鼻水と顔面痛がある
  • 市販薬を適切に使用しても改善しない
  • 仕事、学校、家事、睡眠に支障が出ている
  • 毎年の花粉症とは違う症状がある

鼻水、鼻づまり、顔面痛が中心なら耳鼻咽喉科、発熱や強い全身症状が中心なら内科が相談先の目安です。

初めて症状が出て花粉症と診断されたことがない場合も、一度受診する価値があります。政府広報でも、典型的ではない咳、のどの奥の強い痛み、濃く粘る黄色い鼻水などを伴う場合は医療機関の受診が勧められています。

救急相談を考えたい症状

呼吸困難、意識状態の変化、急激なのどや顔の腫れなどは、一般的な花粉症の微熱として様子を見る症状ではありません。

次のような場合は、地域の救急相談窓口や救急要請を含め、速やかに対応してください。

  • 息が苦しい、ゼーゼーして会話しにくい
  • 唇、舌、顔、のどが急に腫れる
  • 意識がもうろうとする、反応が鈍い
  • 胸の痛みや激しい頭痛がある
  • 水分が取れず、尿が極端に少ない
  • 症状が短時間で急速に悪化している

子どもや高齢者では、体温だけでなく、呼吸、顔色、水分摂取、尿の回数、普段どおり反応できるかも確認してくださいね。

※画像はAIによるイメージ

花粉症で微熱が続く場合は感染症も疑う

筆者として重要だと考えるのは、「花粉症で微熱が起こる可能性」と「今ある発熱が花粉症によるものだという診断」を切り離すことです。

公的資料には鼻やのどの炎症による微熱の記載があり、2026年に公開・更新された医療機関の記事も、37℃台の微熱や熱感は起こり得ると説明しています。

一方で、いずれの情報も体温だけによる自己診断を支持していません。高熱、悪寒、粘る鼻水、顔面痛、長引く咳などがあれば、感染症や副鼻腔炎を確認する必要があるという方向で一致しています。

なぜ花粉症と感染症の自己判別は難しいのでしょうか。

大きな理由は、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、のどの違和感、倦怠感といった症状が両方に重なるからです。さらに感染症の初期には高熱が出ないことがあり、花粉症と感染症が同時に起これば、目のかゆみと発熱が併存することもあります。

つまり、症状を一つ選んで病名へ結びつける方法では不十分なのね。

目のかゆみが強いから花粉症、透明な鼻水だから感染症ではない、37.5℃以下だから安全、といった一項目だけの判断には限界があります。

また、37.2℃は2026年2月27日のクリニック記事に示された説明用の場面、37.5℃と37.6℃は2010年度の公的冊子にある簡易チェックの選択肢、38℃以上は高熱を伴う別の病気に注意を向ける目安です。

この三種類の数字は、根拠も用途も同じではありません。横一列に並べて「ここから病名が変わる」と理解しないことが、今回の情報を読むうえで最も大切なポイントだとわたしは考えます。

花粉症で熱っぽく感じたら、安静にして条件をそろえて体温を測り、目、鼻、のど、全身症状の変化を記録しましょう。

花粉症単独では高熱は典型的ではありませんが、37℃台でも感染症は否定できません。微熱が数日続く、悪化する、いつもの花粉症と違うと感じる場合は、数字だけで線を引かず医療機関へ相談してください。

参考にした主な資料は、平成22年度厚生労働科学研究補助金による一般向け冊子「的確な花粉症の治療のために」、政府広報オンラインの花粉症対策、クリニックフォアが2026年1月27日に公開・同年7月9日に更新した医師監修記事、元八事ファミリー内科クリニックが2026年2月27日に公開した浅野貴光院長監修の記事です。

資料の役割には違いがあります。厚生労働省の冊子は専門家が参加した公的な啓発資料、政府広報は現在の受診・対策案内、二つの医療機関記事は診療現場を踏まえた一般向け解説として比較しました。

出典:厚生労働省「的確な花粉症の治療のために」政府広報オンライン「政府の花粉症対策」クリニックフォア「花粉症で微熱が出ることはある?」元八事ファミリー内科クリニック「花粉症と微熱は関係ある?」


よくある質問

花粉症だけで38℃以上の熱が出ることはありますか?

花粉症単独で38℃以上の高熱が出るのは一般的ではありません。

風邪、インフルエンザ、新型コロナ、副鼻腔炎など別の原因を考え、悪寒、のどの痛み、筋肉痛、粘る鼻水、顔面痛なども確認して医療機関へ相談してください。

37.5℃以下なら花粉症と判断できますか?

判断できません。厚生労働省資料にある37.5℃と37.6℃の区分は、2010年度の一般向け冊子に掲載された簡易チェックの選択肢であり、診断基準ではありません。

平熱との差、目と鼻の症状、悪寒、全身状態、体温の推移をまとめて確認する必要があります。

花粉症の微熱は何日続いたら受診すべきですか?

一律の日数で判断することはできませんが、37℃台の微熱が数日続く、体温が上がっている、強い倦怠感や咳がある場合は受診を検討してください。

基礎疾患がある人、妊娠中の人、子ども、高齢者は、早めにかかりつけ医へ相談すると安心です。

執筆:東雲 朝陽(ライフスタイルライター)