「花粉症だと思ってたのに、急に熱まで出てきた……これって花粉症のせい?」
結論から言うわね。花粉症そのものではほとんど熱は出ないの。もし38度前後の熱が続くなら、それは花粉症の炎症が副鼻腔にまで広がった「副鼻腔炎」を併発しているサインかもしれないわ。
わたし自身、対面販売の仕事をしていた頃、化粧品売り場で春先になると「鼻がつらいのに熱まで出て、これは風邪?花粉症?」と戸惑うお客さまの声を何人も聞いてきたの。今日はその見分け方と、治療の目安を分かりやすく整理していくわね。
花粉症で熱は出る?出ないが基本の理由
花粉症そのものの炎症では、発熱はないか、あっても微熱どまりというのが基本の考え方よ。
花粉症はスギやヒノキなどの花粉が原因となる季節性アレルギー鼻炎で、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといった症状が中心。
ウイルス感染による風邪とは違って、体がウイルスと戦うために体温を上げる、という仕組みが基本的には働かないの。
だからこそ、風邪と花粉症を見分ける代表的なポイントの一つが「発熱の有無」だと言われているのね。
つまり、花粉症の症状に加えてしっかりとした発熱がある場合は、花粉症以外の何か——たとえば副鼻腔炎などを併発している可能性を考える必要があるということ。
花粉症から副鼻腔炎になるとなぜ熱が出るの?
花粉症の鼻炎が長引くと、鼻の奥にある「副鼻腔」という空洞にまで炎症が広がることがあり、これが副鼻腔炎。副鼻腔炎になると発熱を伴うことがあるの。
副鼻腔とは、ほっぺたの奥(上顎洞)、眉間の奥(篩骨洞)、おでこの奥(前頭洞)、さらに奥の蝶形骨洞という、鼻の周囲の顔面骨に埋まった4つの空洞のこと。
これらは鼻腔と細い通り道でつながっていて、花粉症やかぜで鼻に炎症が起きると、この空洞にも炎症が波及してしまうのよ。
実際、花粉症患者のうち副鼻腔炎の症状を自覚している人の割合について、ロート製薬が2021年に実施したインターネット調査(花粉症患者を対象としたアンケート)では、大人の45%が該当したという結果が公表されているの。決して珍しいことではないのね。
副鼻腔炎になると、次のような症状が現れやすいわ。
- 透明~黄緑色で粘り気のある鼻水
- 鼻づまり
- 顔や歯の圧迫感、頭重感
- 嗅覚の低下
- 後鼻漏(鼻水がのどに流れる感じ)
- 痰がからむ咳
- 37~38度台の発熱
わたしが感じるのは、花粉症の「サラサラした水っぽい鼻水」が、だんだん粘り気のある黄色や緑っぽい鼻水に変わってきたら、それは体からの小さな警告サインだということ。
単なる花粉症の延長線ではなく、炎症の性質が変わり始めている合図だと捉えたほうがいいわね。
花粉症と副鼻腔炎、熱の見分け方は?
花粉症による発熱と、副鼻腔炎による発熱には、目安となる温度と経過に違いがあるわ。
花粉症そのものでは38度以上の高熱になることはほとんどないとされているの。
花粉症の時期に体がだるく感じたり、微熱程度の熱っぽさを覚えたりすることがあるのは、アレルギー反応そのものによる炎症や、鼻づまりによる睡眠不足、体力低下が関係していると考えられているわ。
なお「免疫が花粉とウイルスを混同して発熱する」といった説明を見かけることもあるけれど、これは医学的に確立された機序とまでは言い切れない部分もあるので、あくまで一つの見方として留めておいてほしいの。
いずれにしても、花粉症単独での発熱は微熱程度にとどまることが多い、というのが基本ラインよ。
一方で、副鼻腔炎まで進んでいる場合は、症状が重なって現れるのが特徴。目安を整理すると、こんな違いが見えてくるわ。
| 状態 | 発熱の目安 | 鼻水の特徴 | その他の症状 |
|---|---|---|---|
| 花粉症のみ | なし~微熱 | 水っぽく透明 | くしゃみ、目のかゆみ、鼻づまり |
| 副鼻腔炎を併発 | 37~38度台が中心 | 粘り気があり黄~緑色 | 顔の圧迫感、頭痛、痰がらみの咳、後鼻漏 |
38度以上の高熱が出た場合は、花粉症による副鼻腔炎の合併症、あるいは細菌感染など、さらに別の要因を疑う必要があるとされているの。
この場合は自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関を受診することをおすすめするわ。
なぜなら副鼻腔炎は、鼻とつながる耳管を通じて子どもは特に中耳炎を起こしやすく、まれに感染が骨や脳にまで及ぶと骨髄炎や髄膜炎、視力への影響といった重い合併症につながるリスクもあるから。
「たかが鼻の炎症」と軽く見ないことが大切だとわたしは思うのよ。
急性と慢性、副鼻腔炎にも段階がある
副鼻腔炎には「急性」と「慢性」があり、それぞれ経過と付き合い方が異なるの。
急性副鼻腔炎は、かぜをひいたときのウイルス感染がきっかけで起こることが多く、その後細菌感染に移行するケースが一般的。鼻づまりや粘り気のある鼻水、後鼻漏に加え、発熱・熱感、頬の痛み、頭痛を伴うこともあるわ。
治療は抗生物質や抗炎症薬の内服が基本。副鼻腔内を洗浄したり、ネブライザーという器械で薬剤を霧状にして鼻腔内に直接届ける方法も、鼻水やうみを取り除くのに有効とされているの。
一方、急性副鼻腔炎を繰り返すうちに症状が長引いてしまうのが慢性副鼻腔炎。以前は「蓄膿症」と呼ばれていたけれど、これは副鼻腔に膿がたまった状態を表す言葉に過ぎないの。
症状が3ヶ月以上続く場合に慢性と診断されることが多く、ひどい場合は鼻の中にポリープができることもあるわ。
慢性化すると鼻づまりで頭が重くなり、嗅覚障害や集中力の低下、仕事や勉強の能率低下につながることも。
原因は細菌やアレルギーが多いけれど、虫歯や歯周病(特に上の奥歯や親知らず)、真菌(カビ)、まれに腫瘍が隠れていることもあるから、症状が長引くときは自己判断せず耳鼻咽喉科で診てもらうのが安心ね。
副鼻腔炎で咳が出る?口腔アレルギー症候群にも注意
咳や口の中のかゆみなど、鼻や熱以外にも副鼻腔炎・花粉症に関連するサインがあるの。
副鼻腔炎になると、鼻の奥にたまった膿が喉のほうへ流れることで、痰がからむ咳が出たり、気管支炎(いわゆる副鼻腔気管支症候群)に発展することがあるわ。
鼻の症状ばかりに気を取られていると、咳の原因を見落としがちだから注意したいところね。
また花粉症では、シラカンバ・ハンノキ・イネ科の花粉症の方が特定の果物(リンゴやモモ、メロンなど)を食べたときに、口の中がかゆくなったり腫れたりする「口腔アレルギー症候群」が出ることもあるの。
熱や鼻の症状とは別に、こうしたサインが出ていないかも意識してみて。
熱が出たときの対処法、まず何をすればいい?
花粉症由来の発熱・炎症を悪化させないためには、花粉に触れる量を減らすことと、症状に応じた薬の使い方がポイントよ。
まず花粉との接触を減らす、日々のセルフケアとして次のようなことができるわ。
- 花粉飛散情報をこまめにチェックする
- 飛散が多い日は外出を控える、窓や戸を開けすぎない
- 外出時はマスクやメガネを着用し、花粉が付きにくい服装にする
- 帰宅時は玄関で衣服や髪をよく払う
- 洗眼・うがい、鼻をよくかむ習慣をつける
- 室内はこまめに掃除する
発熱を伴う場合、まずは抗ヒスタミン薬でアレルギー反応そのものを抑えることが基本の対処法とされているの。
抗ヒスタミン薬は、体内で放出されたヒスタミンが受容体に結合するのをブロックしてアレルギー症状を抑える薬。眠気などの副作用が少なく効果の持続性にも優れた、フェキソフェナジンやロラタジンといった第2世代のものがよく使われているわ(どの薬が合うかは体質によって異なるので、薬剤師や医師に相談してね)。
高熱がつらいときに解熱剤を使うのも一時的な対処としては有効。ただし、解熱剤はあくまで熱をやわらげるだけで、背景にある副鼻腔炎や感染症そのものを治すわけではないの。
熱が下がらない、鼻水の色が変わってきた、顔の圧迫感が強いといったときは、我慢せず早めに耳鼻咽喉科や医療機関を受診してほしいわ。
副鼻腔炎の治療では、抗生物質や抗炎症薬の内服に加えて、ステロイド点鼻薬で鼻粘膜の炎症を抑える方法も使われるの。
ただしステロイド点鼻薬を長期間使い続けると、逆に鼻粘膜の腫れを招いて症状を悪化させることがあるとも言われているから、必ず医師の指示に沿って使うことが大切ね。
薬物療法で改善が見られない場合や再発を繰り返す場合には、内視鏡を使ったESS(内視鏡下鼻副鼻腔手術)という選択肢が検討されることもあるわ。
考察:症状の変化を「体からのお便り」として受け止める
ここからは、これまでたくさんの生活者の声を対面で聞いてきた経験をもとにした、わたし個人の見立てを書かせてね。わたしは医師ではないので、あくまで生活者目線の一つの捉え方として読んでほしいの。
花粉症と副鼻腔炎の関係で私が特に重要だと感じるのは、「症状の質の変化」に敏感でいることだと考えているの。
水っぽい鼻水が粘り気のある色付きの鼻水に変わる、鼻づまりだけだったのに顔の重だるさや頭痛が加わる、熱が微熱から37度台後半に上がってくる——こうした変化は、体が「炎症のステージが変わってきたよ」と教えてくれているサインだと、わたしは受け止めているわ。
ロート製薬の2021年の調査で大人の45%が副鼻腔炎の症状を経験しているという結果からも分かるように、花粉症シーズンに副鼻腔炎を併発すること自体は珍しくない出来事。
だからこそ「花粉症だからそのうち治る」と自己判断で放置してしまうケースが多いのではないかと、個人的には感じているの。
特に忙しい毎日を送る方ほど、多少の不調は我慢して乗り切ろうとしがちだけれど、副鼻腔炎は放置すると中耳炎や、まれに骨や脳への感染拡大につながるリスクもある病気。
ここは「そのうち治るはず」という楽観よりも、「念のため確認しておく」という選択のほうが、結果的に暮らしを守ることにつながると筆者としては考えているわ。
一方で、副鼻腔炎は乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層に起こり、多くは外来治療で対応できる、決して特別な病気ではないということも同時にお伝えしておきたいの。
過度に不安がる必要はなく、「発熱の有無」「鼻水の色や粘り気」「顔の圧迫感」という3つのポイントをセルフチェックの目安として持っておくだけで、必要以上に慌てず、かつ見逃さずに対応できるはずよ。
もちろん、ここでの見立てはあくまで一般的な傾向に基づくもの。実際に発熱や症状の長引きがあるときは、自己判断で終わらせず、必ず医師の診断を受けてね。
今後の見通しとしては、花粉の飛散量や飛散期間が年によって変動する中、スギだけでなくヒノキ、イネ科、ブタクサなど複数の花粉シーズンにまたがって不調を感じる方はこれからも増えていくと考えられるわ。
季節が一つ終わっても油断せず、自分の体調の変化を丁寧に観察する習慣そのものが、これからの花粉症・副鼻腔炎対策の土台になっていくのではないかしら。
まとめ
花粉症そのものではほとんど熱は出ず、出ても微熱程度が基本。38度前後の発熱や、粘り気のある黄~緑色の鼻水、顔の圧迫感や頭痛が加わってきたら、副鼻腔炎を併発しているサインの可能性があるわ。
急性であれば抗生物質や抗炎症薬、ネブライザーによる治療で改善が見込め、症状が3ヶ月以上続く場合は慢性副鼻腔炎として耳鼻咽喉科でのしっかりとした診断が必要になることも。
セルフケアとしては花粉との接触を減らし抗ヒスタミン薬で炎症を抑えつつ、高熱や症状の長引きが見られたら早めに医療機関を頼ること。
それが、花粉症シーズンを少しでも軽やかに乗り越えるための一番の近道だと、わたしは思うわ。
よくある質問
花粉症で何度くらいまで熱が上がりますか?
花粉症そのものによる発熱はほとんどなく、あっても微熱程度が一般的とされています。38度以上の高熱が出る場合は、副鼻腔炎などの合併症を疑う目安になります。
花粉症と副鼻腔炎はどう見分ければいいですか?
鼻水が水っぽく透明なら花粉症、粘り気があり黄色や緑色っぽい場合や、顔の圧迫感・頭痛・37~38度台の発熱を伴う場合は副鼻腔炎の可能性が考えられます。症状が続くときは耳鼻咽喉科での確認が安心です。
副鼻腔炎は自然に治りますか?
軽度であれば自然に改善することもありますが、免疫力が落ちている時や症状が長引く時は慢性化するリスクもあります。心配な場合は自己判断せず、医療機関の受診をおすすめします。


