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花粉症で咳喘息が悪化する?症状の特徴と治療の考え方

春の窓辺でマスクをしながら咳を気にする女性、飛び散る花粉のイメージ 花粉症

目や鼻がかゆくてくしゃみが止まらない。そんな花粉症の季節、実は「咳」だけがしつこく長引く人が少なくないの。

結論から言うと、花粉症と咳喘息はつながっていることが多く、鼻の症状だけでなく気道全体をみて早めに対処するのが正解よ。

花粉症と咳喘息はなぜ関係あるの?

答えを先に言うと、鼻と気管支は一本につながっているから。

アレルギー性鼻炎と喘息の関連については、国際的なガイドラインである「ARIA(Allergic Rhinitis and its Impact on Asthma)」の中で「One airway, one disease(ひとつの気道、ひとつの病気)」という考え方が示されていて、鼻炎と喘息が同じアレルギー機序で起きやすいことが整理されているの。

日本アレルギー学会の喘息予防・管理ガイドライン(JGL)でも、成人喘息患者のうちアトピー型(ダニ・花粉・ペット・カビなど環境アレルゲンに反応するタイプ)が一定の割合を占めることが示されていて、花粉が飛ぶ時期に喘息症状が悪化しやすい人が一定数いるとされているわ。

同様に、喘息患者に鼻炎を併発している人が多いこともこのガイドラインの中で触れられていて、「鼻だけ」「喉だけ」と分けて考えるより、気道全体をひとつのつながりとして診ていくことが大切だとわかるわね。

これはわたしが対面販売の現場で長年お客さまと向き合ってきた経験からも感じることなの。

身体の不調ってひとつの部位だけで完結しないことが本当に多くて、鼻の症状を軽く見ていたら気づけば咳がひどくなっていた、という声をよく聞いてきたわ。


咳喘息ってどんな病気?喘息とはどう違う?

咳喘息とは、喘息でみられる「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が目立たず、長引く咳だけが主な症状として出るタイプの喘息のことよ。

日本呼吸器学会が作成している咳嗽・喀痰の診療ガイドラインでは、咳喘息が長引く咳(慢性咳嗽)の原因として国内で最も頻度の高いもののひとつに位置づけられているの。

海外の総説論文でも、長引く咳の原因のうち咳喘息が占める割合はおよそ25〜42%と報告されていて、国内外どちらでも決して珍しい病気ではないことがわかるわね。

咳喘息を疑うポイントは次の通りよ。

  • かぜの後に咳だけが3週間以上続く
  • 夜間や早朝に咳で目が覚める
  • 会話・運動・冷気・ほこり・花粉などで咳が出やすい
  • 喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)は目立たない
※画像はAIによるイメージ

咳喘息の診断でひとつの手がかりになるのが、気管支拡張薬を使うと咳が改善するかどうかという反応性よ。

これは気道が過敏になっていて、ちょっとした刺激でも咳が出やすくなっている状態を裏づける材料になるの。

診断にあたっては、咳の持続期間や悪化する時間帯に加えて、呼気NO(FeNO)検査や血液中の好酸球の値、呼吸機能検査、これまでの治療への反応なども合わせて、呼吸器内科やアレルギー科の医師が総合的に判断するとされているわ。

放置すると気管支の慢性的な炎症が続いて、本格的な気管支喘息へ移行することがあるとも言われているの。喘鳴や息苦しさが出てきたら要注意のサインね。


花粉症の咳はどうやって起きるの?メカニズムを整理

花粉症による咳が起きる仕組みは、大きく2つあると考えられているわ。

ひとつは「後鼻漏(こうびろう)」。鼻の粘膜がアレルギー反応を起こすと鼻水がたくさん作られて、それが喉の奥へと流れ落ちていくの。

この粘液が気道を刺激することで咳が誘発されるのね。横になっているときに症状が悪化しやすいのは、この後鼻漏が関係している可能性が高いと言われているわ。

もうひとつは「気道過敏性の亢進」。国内の耳鼻咽喉科領域の学術誌に掲載された調査研究では、気管支症状を伴う花粉症患者において、下気道の過敏性が高まっていることが示されているの。

花粉によって気道の粘膜が慢性的に炎症を起こすと、通常なら何ともないような軽い刺激でも咳が出やすくなってしまうのよ。

もともと喘息を持っている人が花粉症を併発すると、この気道過敏性がさらに強まって病状が悪くなる要因になるとされているわ。花粉症と喘息、それぞれ単独の問題ではなく、掛け合わさることで悪化しやすくなるというイメージね。


花粉症の咳と、風邪・喘息の咳はどう見分ける?

読者のみなさんが一番知りたいのはここじゃないかしら。「この咳、花粉症?それとも風邪や喘息?」という疑問よ。

花粉症の咳は、花粉の飛散時期に一致して始まるのが特徴よ。晴れて風の強い日は花粉が飛びやすいので症状が悪化しやすく、逆に雨の日や室内では和らぐ傾向があるの。

咳の性質はカラカラとした乾いた咳(乾性咳嗽)が中心で、夜間だけでなく早朝に悪化しやすい「モーニングアタック」と呼ばれるパターンも見られるわ。

くしゃみや鼻水、人によっては目のかゆみ・充血といった結膜炎症状を伴い、発熱はほとんどないのが特徴ね。

一方、風邪による咳は季節や天候に関係なく突然始まり、のどの痛みや発熱、倦怠感を伴うことが多いの。最初は乾いた咳でも、病状が進むにつれて痰を伴う咳に変化していくケースが目立つわ。通常は1〜2週間ほどで改善するのも風邪の特徴よ。

咳喘息の場合は、喘鳴が目立たないまま乾いた咳が数週間から数か月続くことがあり、会話・運動・冷気・においなどさまざまな刺激で咳が誘発されやすいの。

花粉症由来の咳と咳喘息は症状が重なる部分も多いから、「花粉の時期にいつも咳がひどくなる」という人は、実は気道全体にアレルギー性の炎症が起きている可能性があるのよね。

※画像はAIによるイメージ

花粉症・咳喘息の治療はどう考える?

花粉症も咳喘息も、共通しているのは「早めの対応が症状を軽くする」という考え方よ。

花粉症については、症状がひどくなってからでは炎症を抑えるのが難しくなる傾向があるため、スギ花粉の飛散が本格化する前から治療を始めることが望ましいとされているわ。

治療の選択肢としては、眠気の出にくい第2世代の抗ヒスタミン薬による内服治療のほか、症状が強い場合には点鼻ステロイド薬、抗ロイコトリエン薬などが医師の判断で組み合わされることがあるの。

漢方薬を治療の選択肢に加える医療機関もあるけれど、体質や症状によって向き不向きがあるため、どの薬を選ぶかは自己判断せず、必ず医師に相談してほしいところよ。

根本的な体質改善を目指す治療としては舌下免疫療法という方法もあるの。ただしこれは花粉が飛んでいるシーズン中には開始できない治療で、スギ花粉症の場合は飛散のない時期に検討するのがよいとされているわ。

初回内服時にはアナフィラキシーショックなど重い反応が出ることがあるため、院内で服用後一定時間は経過観察が必要とされているの。こうした治療はすべて医師の診断のもとで行われるものだから、気になる人はまず医療機関で相談してみてね。

咳喘息の治療では、吸入ステロイド薬(ICS)が基本治療薬として使われるの。気道の炎症を直接抑える薬で、効果が出るまでには1〜2週間程度かかることがあるわ。

近年は吸入ステロイド薬と長時間作用性気管支拡張薬が一体になった配合吸入薬が使われることも増えているそう。花粉症など季節性アレルギーが関与している場合には、内服の抗ロイコトリエン薬が選ばれることもあるの。

生活面では、禁煙や受動喫煙の回避、室内のダニ・ほこり対策、冷たい空気や強いにおいを避けることなどが咳の出方を左右すると言われているわ。

診察室でよく聞くのが「薬は続けているのに、この場面になると必ず咳き込む」という声。冷たい外気に出たとき、寝室に入ったとき、すれ違った人の香りなど、きっかけがひとつ減るだけでも咳の出方は変わってくるとされているの。


花粉症は春だけじゃない?季節と原因植物の関係

花粉症というと春のスギ・ヒノキを思い浮かべる人が多いけれど、実は一年を通してさまざまな花粉が飛んでいるの。

  • スギ:2〜4月
  • ヒノキ:3〜5月
  • イネ科:5〜9月
  • ブタクサ:8〜9月
  • ヨモギ(キク科)・カナムグラ(アサ科):8月〜10月

東京都が実施した花粉症患者実態調査(平成28年度)では、都内のスギ花粉症の推定有病率が48.8%と推計されているの。もはや花粉症は国民病と言えるレベルの疾患であることがわかるわね。

さらに近年は花粉飛散量の年ごとの増加傾向や生活習慣の変化などから、子どもの花粉症相談も増えているとされているの。

つまり「春が終わったから花粉症の心配はもうない」というわけではなく、秋になって急に咳や鼻の不調を感じたら、それも花粉症由来の可能性があるということね。

加えて3月から5月にかけては中国大陸由来の黄砂の飛来もあり、環境省が公表している大気汚染物質の飛来情報でもこの時期の黄砂観測が例年報告されているの。黄砂やPM2.5との複合的な刺激によって、花粉症の咳がより悪化するケースもあると考えられているわ。


私見:季節ライターの立場から見えてきたこと

ここからは、医療従事者ではなく生活情報を調べて伝える立場のライターとして、率直な考えを書きたいの。

わたしはこれまで対面販売の現場でお客さまの体調の変化に日々触れてきた経験をもとに、いまはリサーチャーとして公的な調査結果やガイドラインを読み込み、暮らしに役立つ形に整理して伝える仕事をしているわ。医師免許を持つ立場ではないので、診断や治療方針そのものについては必ず医療機関で確認してほしいというのが前提ね。

その上で今回、ARIAガイドラインや日本呼吸器学会の咳嗽診療ガイドラインなど複数の公的資料を横断的に調べてみて感じたのは、花粉症の情報は鼻や目の症状にフォーカスしたものが多く、「咳」との関連にしっかり触れている生活者向けの記事は意外と少ないということだったの。

個人的には、花粉症の時期に「なんとなく咳が続くけど、まあ花粉のせいだろう」と自己判断で放置してしまう人が多いのではないかと考えているわ。咳喘息は喘鳴が目立たない分、本人も周囲も「ただの咳」だと軽視しやすいタイプの病気だからこそ、見過ごされやすいのだと思うの。

一方で、咳が長引くからといって必ずしも咳喘息とは限らない。感染後咳嗽や後鼻漏、胃食道逆流症など似た症状を起こす病気もあるから、症状だけで自己診断するのは危ういというのが筆者としての立場よ。

夜間・早朝に悪化する、会話や運動・冷気・花粉などで誘発される、喘鳴が目立たないのに咳が長く続く——こうした特徴が重なるときは、自己判断で市販の咳止めだけに頼らず、呼吸器内科やアレルギー科を受診して、必要なら呼気NO検査や呼吸機能検査を受けるという選択肢を持っておくことが大切だと考えられるわ。

もうひとつ付け加えたいのは、花粉飛散量は年によって変動が大きく、飛散量の多い年には咳の相談が増える傾向が過去にも報告されてきたという点よ。今シーズンの飛散状況がどうなるかは公的機関の飛散予測を確認しながら、症状が出やすい年ほど早めの備えを意識しておくのがよいと個人的には見ているの。

今後の見通しとしては、花粉飛散量の年ごとの変動や生活環境の変化によって、子どもも含めて花粉症・咳喘息に悩む人はさらに増えていく可能性があると考えているわ。だからこそ「毎年この時期になると咳が出る」というパターンに心当たりがある人は、シーズンが来る前から早めに相談しておく姿勢が、これからますます重要になっていくと感じているの。


まとめ

花粉症と咳喘息は、鼻と気管支がひとつの気道としてつながっているために、同時に悪化しやすい関係にあるの。

花粉症の咳は後鼻漏と気道過敏性の亢進という2つのメカニズムで起こり、乾いた咳が花粉の時期に一致して現れるのが特徴よ。

一方、喘鳴が目立たず3週間以上咳だけが続く場合は咳喘息の可能性があり、放置すると気管支喘息へ移行することもあるとされているわ。

花粉症は早めの対策、咳喘息は吸入ステロイド薬による炎症のコントロールが基本の考え方。気になる症状が続くときは、自己判断で長引かせず、呼吸器・アレルギー科での相談を検討してみてね。


よくある質問

花粉症の咳と咳喘息は同じものですか?

同じではないの。花粉症の咳は後鼻漏や気道刺激によって起こることが多いのに対し、咳喘息はアレルギー炎症による気道過敏性の亢進が中心的な原因とされているわ。ただし花粉症がきっかけで咳喘息が悪化することは多く、両者は関連し合っていると考えられているの。

花粉症による咳はどれくらいで治まりますか?

花粉の飛散が続く限り症状が続く傾向があり、適切な対策を取らないと数週間から数か月続くことがあるとされているわ。花粉の飛散時期が終われば自然と落ち着くことが多いけれど、症状が強い場合は早めの受診・治療開始が推奨されているの。

咳が長引くとき、何科を受診すればいいですか?

喘鳴の有無にかかわらず咳が3週間以上続く場合は、呼吸器内科やアレルギー科の受診が目安になるとされているわ。花粉症の症状と合わせて咳が出ている場合も、鼻と気道を両方みてもらえる呼吸器・アレルギー科での相談が安心ね。