花粉症だけで38度の熱が出るのは典型的ではなく、感染症や副鼻腔炎など別の原因を考える必要があるわ。
38度は病名を決める境界ではなく、「いつもの花粉症」という前提を見直す目安よ。悪寒や強いだるさ、呼吸の異常がないかを確認し、年齢や持病も踏まえて受診を判断しましょう。
- 花粉症の中心症状は、くしゃみ、透明な鼻水、鼻づまり、目のかゆみ
- 38度以上の熱や急な全身症状は、インフルエンザなどの感染症を疑う材料
- 息苦しさ、意識の異常、けいれんなどがあれば、原因を見分けるより緊急対応を優先
花粉症で38度の熱は出る?先に知りたい結論
花粉症がある人に38度の熱が出ることはあっても、花粉症だけが原因とは限らない、というのが大切な答えよ。
花粉症は、スギやヒノキなどの花粉に対して免疫が過剰に反応する季節性アレルギー性鼻炎ね。主な症状は、繰り返すくしゃみ、透明でさらさらした鼻水、鼻づまり、目のかゆみや涙よ。
日本アレルギー学会と厚生労働省の事業として運営される「アレルギーポータル」でも、花粉症の重症度は鼻水をかむ回数、くしゃみの回数、鼻づまりによる口呼吸などを中心に評価すると説明されているわ。アレルギーポータル「花粉症」
つまり、発熱は花粉症の重症度を測る中心項目ではないの。鼻や喉の炎症、鼻づまりによる睡眠不足などで熱っぽさや倦怠感を覚えることはあるけれど、38度という数字を花粉症の典型症状として扱うのは慎重であるべきね。
医療機関の解説では「花粉症による発熱は37度台や37.5度以下が目安」とされることもあるわ。ただし、これはすべての人に共通する診断基準ではなく、37.5度なら花粉症、38度なら感染症と機械的に分けられるわけではないことを覚えておいてね。
体温には個人差があり、測る時刻、運動、入浴、室温、測定方法でも変わるもの。大切なのは一回の数字だけでなく、平熱との差、熱の上がり方、ほかの症状、周囲の感染状況を組み合わせて見ることよ。
なぜ花粉症でも熱っぽく感じるの?
花粉症の時期に「熱があるようなだるさ」を感じる背景には、次のような要因が考えられるわ。
- 鼻や喉の粘膜でアレルギー性の炎症が続いている
- 鼻づまりや咳で睡眠が浅くなっている
- 口呼吸による喉の乾燥やほてりがある
- 抗ヒスタミン薬の眠気や倦怠感が重なっている
- 風邪などの感染症を同時に発症している
- 副鼻腔炎や中耳炎などを合併している
「体が熱い」という感覚と、実際の発熱は同じではないわ。まず体温計で測り、できれば測定時刻と数値を記録しましょう。
反対に、目のかゆみや鼻水があるからといって、38度の熱まで花粉症のせいにするのも危険よ。花粉症と感染症は二者択一ではなく、同時に起こる可能性があるからね。

花粉症とインフル・コロナはどう見分ける?
38度以上の発熱に悪寒、筋肉痛、関節痛、強い倦怠感が重なったら、花粉症より感染症を優先して考える材料になるわ。
厚生労働省は、インフルエンザについて、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などが比較的急速に現れることを特徴として挙げているの。厚生労働省「令和6年度インフルエンザQ&A」
一方、新型コロナウイルス感染症では、発熱、喉の痛み、咳、鼻水、倦怠感などが見られ、花粉症や一般的な風邪と症状が重なる場合があるわ。症状の種類だけで確実に診断することはできないのよ。
| 確認する点 | 花粉症で目立ちやすい特徴 | 感染症を疑う材料 |
|---|---|---|
| 体温 | 平熱でも熱っぽさやだるさを感じることがある | 38度以上、急な上昇、発熱の持続 |
| 鼻・目 | 連続するくしゃみ、目の強いかゆみ、涙 | 喉の痛み、咳などと一緒に鼻症状が出る |
| 全身症状 | 睡眠不足による軽いだるさなど | 悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、強い倦怠感 |
| 症状の変化 | 外出や花粉飛散量に連動しやすい | 花粉量にかかわらず悪化することがある |
| 周囲の状況 | 人から人へ感染しない | 家族や職場、学校に同様の症状がある |
| 経過 | 飛散期間中に繰り返しやすい | 数時間から数日で症状が変化しやすい |
この表は診断表ではなく、相談の優先度を考えるための目安よ。高熱が出ないインフルエンザや新型コロナもあれば、目のかゆみを伴う感染症、花粉症と感染症の併発もあるわ。
鼻水の色だけで判定してはいけない
透明でさらさらした鼻水は花粉症でよく見られるけれど、風邪の初期にも出ることがあるの。黄色や緑色の鼻水も、それだけで細菌感染や副鼻腔炎と断定することはできないわ。
鼻水の色よりも、症状が何日続いているか、顔面痛があるか、いったん改善してから再び悪化したかを一緒に確認するのがポイントよ。
頬、目の周り、額の痛みや圧迫感、強い頭重感、嗅覚の低下、粘りのある鼻水が続く場合は、副鼻腔炎も考えて耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。
自宅の検査キットで確認できる?
新型コロナやインフルエンザのセルフチェックには、一般用抗原検査キットを使える場合があるわ。ただし、検査結果だけで症状の原因を完全に確定できるわけではないの。
厚生労働省は、新型コロナの一般用検査キットについて、国が承認した「第1類医薬品」または「体外診断用医薬品」を選び、「研究用」と表示された未承認品を避けるよう案内しているわ。厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報」
検査する時期が早すぎたり、検体を適切に採取できなかったりすると、感染していても陰性になる可能性があるの。陰性でも高熱や強い症状が続く場合は、「感染症ではない」と決めつけず医療機関へ相談してね。
38度の熱が出たら受診すべき?年齢別の判断ポイント
38度という体温だけで救急か自宅療養かは決められず、呼吸、意識、水分摂取、年齢、妊娠、基礎疾患を合わせて判断する必要があるわ。
発熱に気づいたら、無理な出勤、登校、外出は控え、休養と水分補給を優先しましょう。感染症の可能性が残る間は、同居人とのタオルの共用を避け、換気や手洗い、咳エチケットにも配慮したいところね。
成人が早めに相談したい状態
健康な成人でも、次のような状態なら医療機関への相談を考えてね。
- 38度以上の熱が続く、またはさらに上がっている
- 咳や喉の痛み、悪寒、頭痛、筋肉痛が強い
- 水分を取りにくい、尿が明らかに減っている
- ぐったりして起き上がるのがつらい
- 顔面痛や強い頭痛、耳の痛みがある
- いったん軽快した後に再び悪化した
- 市販薬を使っても苦痛が強い
- 原因が分からず不安が大きい
受診方法は医療機関によって異なるわ。発熱がある場合は、直接出向く前に電話や公式サイトで受付方法を確認するとスムーズよ。
子どもは体温以外の様子を見る
子どもの発熱では、数字だけでなく、呼吸、顔色、反応、機嫌、水分、尿の回数を見ることが大切ね。乳幼児は「息が苦しい」「頭が痛い」と詳しく説明できないため、普段との違いが重要な情報になるわ。
日本小児科学会が監修する「こどもの救急」では、38度以上の発熱について、尿が出ているか、元気があるかなど複数の状態を確認する仕組みを提供しているの。日本小児科学会「こどもの救急―発熱(38℃以上)」
特に生後3か月未満の乳児の発熱や様子の異常は、早めの医療相談が必要よ。年長児でも、呼吸が苦しそう、水分が取れない、反応が悪い、けいれんがある場合は、花粉症との区別に時間を使わないでね。
高齢者・妊婦・基礎疾患がある人
高齢者、妊婦、免疫機能が低下している人、心臓・肺・腎臓などに持病がある人は、発熱が高くなくても早めの相談が適する場合があるわ。
高齢者では感染症があっても典型的な高熱が出ないことがあり、食欲低下、転倒、ぼんやりする、急に動けなくなるといった変化が先に表れることもあるの。いつもの体温や生活状態との差を見逃さないことが大切ね。
妊娠中や治療中の病気がある場合は、使える薬にも注意が必要よ。市販薬を選ぶ前に、医師や薬剤師へ妊娠週数、持病、服用中の薬を伝えましょう。

迷わず緊急対応を求めたい症状とは?
息苦しさ、意識の異常、止まらないけいれんなどがあれば、体温の高さや花粉症の有無にかかわらず緊急対応を検討してね。
次のような症状は、119番への通報を含め、速やかな対応が必要になる可能性があるわ。
- 息が苦しい、呼吸が速い、会話が続かない
- 唇や顔色が青白い
- 意識がない、反応がおかしい、もうろうとしている
- けいれんが止まらない、または止まっても意識が戻らない
- 突然の激しい頭痛や強い胸痛がある
- 水分をほとんど取れず、著しくぐったりしている
- 顔や喉が急に腫れ、呼吸しにくい
- 子どもの様子が普段と明らかに違う
総務省消防庁は、意識がない、反応がおかしい、けいれんが止まらないといった状態を「すぐに119番」を考える症状として案内しているわ。総務省消防庁「こんなときには すぐに119番!!」
救急車を呼ぶべきか迷う場合は、実施地域なら救急安心センター「#7119」、子どもの休日・夜間の相談には「#8000」を利用できるわ。#8000は各都道府県に設けられているけれど、受付時間などは地域によって異なるため、自治体の最新案内も確認してね。
消防庁の全国版救急受診アプリ「Q助」も、症状を選んで緊急度を確認する手がかりになるわ。ただし、明らかな呼吸困難や意識障害があるときは、アプリで調べ続けず119番を優先しましょう。
花粉症と感染症の両方を想定した自宅での対応
診断がつくまでは、休養と水分補給を優先しながら、感染を広げない行動と花粉への曝露を減らす工夫を両立させるのが現実的よ。
水分は一度に大量に飲むより、飲める量を少しずつ取ってね。食欲が落ちているときは、無理に食べることより、尿が出る程度に水分を保てているかを確認するほうが大切よ。
寒気がある間は温かくし、寒気が収まって暑そうなら、衣服や掛け物を調整しましょう。本人が休んでいるときに、大がかりな掃除や花粉対策をさせる必要はないわ。
咳やくしゃみがある場合は、無理のない範囲でマスクや咳エチケットを取り入れてね。タオルの共用を避け、手洗いと換気を行い、家族内へ感染症が広がる可能性にも備えましょう。
解熱剤を使うときの注意
解熱鎮痛薬は、体温の数字を必ず平熱に戻すためではなく、頭痛や体の痛みを和らげ、水分や睡眠を取りやすくするために使われるものよ。
使用できる薬は、年齢、体重、妊娠・授乳、持病、アレルギー歴、服用中の薬によって変わるわ。総合感冒薬と解熱鎮痛薬に同じ成分が入っていることもあるため、成分の重複に注意してね。
子どもに大人用の薬を量だけ減らして飲ませたり、以前処方された残り薬を自己判断で使ったりするのは避けましょう。不明な場合は医師や薬剤師へ確認するのが安心よ。
医師に伝わる時系列メモの具体例
受診時には症状を思い出した順番で並べるより、時刻に沿って伝えると状況を理解してもらいやすくなるわ。
例えば、次のようなメモよ。
- 7時:起床時37.1度。透明な鼻水と目のかゆみ
- 11時:悪寒と喉の痛みが加わり37.8度
- 15時:38.3度。頭痛と筋肉痛が強くなる
- 18時:水分はコップ2杯、尿は朝から2回
- 家族:2日前から子どもが咳をしている
- 使用薬:花粉症薬を8時、解熱鎮痛薬を16時に服用
- 持病など:ぜんそく治療中、薬剤アレルギーなし
この記録なら、「目のかゆみは花粉症らしい一方、午後から感染症を疑う変化が加わった」という時間の流れが見えやすいわ。
体温、症状、飲食量、尿、使用薬、周囲の流行状況をひとまとめにしておくことは、家庭で病名を当てるためではなく、医療者へ判断材料を正確に渡すための備えなのよ。

私見|38度は診断ラインではなく前提を変える合図
わたしは、花粉症シーズンの38度という数字を、花粉症と感染症を分ける一本の線ではなく、原因を広く考え直す合図として捉えるのが実用的だと考えているわ。
春先には、くしゃみや鼻水が出ても「今年も花粉だろう」と判断しやすいもの。仕事や子育てに追われていれば、いつもの薬を飲んで一日を乗り切りたくなる気持ちもよく分かるの。
けれど、同じ鼻水でも、その後に悪寒、喉の痛み、筋肉痛、38度の発熱が加わったなら、朝と夕方では判断の前提が変わっているわ。病名ではなく、症状がどう増え、どう変化したかを見る視点が欠かせないのよ。
また、体温だけを重視しすぎるのも注意が必要ね。高齢者や免疫機能が低下している人では高熱が目立たないことがあり、子どもでは38度を超えていても、水分を取れて反応が良い場合と、呼吸や意識に異常がある場合では緊急度が違うわ。
医学的にも、鼻水、咳、発熱といった症状だけで原因を完全に鑑別することには限界があるの。診察、流行状況、必要に応じた検査を組み合わせて判断するため、セルフチェックは診断の代わりではなく、次の行動を決める材料と考えるべきね。
花粉症でつらい季節は、春の空気が明るくなるほど、自分だけが重たい上着をまとっているように感じることもあるでしょう。だからこそ我慢比べにせず、いつもの症状から外れた変化を見つけたら、休む、記録する、相談するという小さな順番を大切にしてほしいわ。
まとめ|花粉症で38度なら別の原因も確認しよう
花粉症の中心症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみであり、38度の発熱は典型的な症状ではないわ。花粉症がある人に38度の熱が出たら、インフルエンザ、新型コロナ、一般的な風邪、副鼻腔炎など、別の原因や併発を考えましょう。
ただし、37.5度や38度という数字だけで病名を分けることはできないの。熱の上がり方、悪寒や筋肉痛、呼吸、意識、水分摂取、症状の経過、年齢、妊娠、基礎疾患を合わせて判断してね。
息苦しさ、意識の異常、止まらないけいれんなどがあれば、花粉症かどうかを見分けるより緊急対応が優先よ。判断に迷う場合は、医療機関、#7119、子どもなら#8000などへ相談しましょう。
よくある質問
花粉症だけで38度5分まで熱が上がりますか?
花粉症だけによる38度5分の発熱は典型的ではないわ。インフルエンザ、新型コロナ、風邪、副鼻腔炎など別の原因や併発を考え、症状が強い場合は医療機関へ相談してね。
目がかゆければ38度でも花粉症ですか?
目のかゆみは花粉症らしい症状だけれど、それだけで感染症を否定することはできないわ。花粉症と感染症が同時に起きている可能性もあるため、悪寒、喉の痛み、咳、筋肉痛なども確認しましょう。
抗原検査が陰性なら受診しなくても大丈夫ですか?
陰性でも感染症を完全には否定できないわ。検査時期や採取方法によって結果が変わる可能性があるため、高熱や強い症状が続く、呼吸や意識に異常がある場合は、結果にかかわらず相談してね。
参考資料・情報の透明性
- アレルギーポータル「花粉症」/日本アレルギー学会・厚生労働省補助事業
- 厚生労働省「令和6年度インフルエンザQ&A」
- 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報」/2025年2月20日更新
- 総務省消防庁「こんなときには すぐに119番!!」
- 日本小児科学会監修「こどもの救急―発熱(38℃以上)」
- 総務省消防庁「救急医療の受診について」/相談窓口情報は2025年12月時点
- 情報確認日:2026年9月2日
本記事は医師による個別監修を受けたものではなく、公的機関および専門学会が提供する一般向け情報を照合して構成しています。個別の診断や治療には代わらないため、症状が強い場合や判断に迷う場合は、医師または薬剤師へ相談してください。
執筆:東雲 朝陽(ライフスタイルライター)


