鼻づまりと咳が同時に長引くなら、それは花粉症と喘息が同じ気道でつながって悪さをしているサインかもしれないわ。
結論から言うと、花粉症と喘息は別々の病気じゃなくて、鼻から気管支まで一本の気道が同じアレルギー体質でつながっているの。医学的には「One airway, one disease(ひとつの気道、ひとつの病気)」と呼ばれる考え方で、日本アレルギー学会が示す喘息予防・管理ガイドラインでもこの関連が重視されているわ。だからこそ花粉が飛ぶ時期は、喘息の症状も一緒に悪化しやすいのよ。
花粉症と喘息はなぜ関係するの?「One airway, one disease」の考え方
花粉症と喘息がなぜセットで語られるのか、疑問に思う方も多いはずよ。
答えはシンプルで、鼻と気管支は一本の管でつながっているから。
日本アレルギー学会が策定に関わる「喘息予防・管理ガイドライン」では、喘息は気道にアレルギー性の炎症が起きて、少しの刺激にも過敏に反応し、咳やゼイゼイという音が出る状態と説明されているの。
成人喘息の患者さんのうち約6割は「アトピー型」と呼ばれるタイプで、これはダニや花粉、ペット、カビといった環境アレルゲンに反応して発症するタイプだと、同ガイドラインの疫学データをもとに紹介されているわ。
つまり花粉症がある人は、花粉の季節にアトピー型の喘息も一緒に悪化しやすいというわけね。
実際、喘息患者さんの約7割には鼻炎があるとされていて、日本鼻科学会が公表する「鼻アレルギー診療ガイドライン」でも、鼻炎をきちんとコントロールしないと喘息もコントロールしにくいという関連が指摘されているの。鼻炎で咳が出る方は、すでに気道全体までアレルギー性の炎症が広がっている可能性があって、吸入薬が必要になるケースもあるとされているわ。
ここでわたしが感じるのは、「鼻だけの症状」と軽く見ないことの大切さね。鼻の不調は、気道全体からのSOSサインかもしれないの。
花粉症のシーズンはいつ?春だけじゃない一年の花粉カレンダー
「花粉症=春のスギ・ヒノキ」というイメージが強いけれど、実は一年を通して花粉症の原因になる植物があるの。
季節ごとの主な花粉の飛散時期は次の通りよ。
- スギ:2月〜4月(地域によっては12月〜2月から飛散することも)
- ヒノキ:3月〜5月
- イネ科:5月〜9月
- ブタクサ:8月〜9月
- ヨモギ(キク科)・カナムグラ(アサ科):8月〜10月
秋になると体調を崩しやすい方は、実は「秋の花粉症」の可能性があるのよ。ブタクサは日本で最初に花粉症の症例が報告された植物としても知られていて、道端で繁殖しやすいのが特徴ね。
冬から春にかけてはスギ・ヒノキ、夏はイネ科、そして晩夏から秋はブタクサやヨモギ――と、花粉はほぼ一年中どこかで飛んでいると考えるとわかりやすいわ。
東京都健康安全研究センターが平成28年度に実施した花粉症患者実態調査では、都内のスギ花粉症の推定有病率は48.8%にのぼると報告されているの。もはや花粉症は「多くの人が抱える身近な悩み」と言えるレベルね。しかも近年は花粉飛散量の増加や生活環境の変化などから、子どもの花粉症も増えているといわれているのよ。
花粉症×喘息で悪化するとどんな症状が出るの?セルフチェックの目安
花粉症の時期に、次のような症状が出ていたら要注意よ。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった花粉症の典型症状に加えて、咳・たん・息切れが出てくる場合、喘息が悪化しているサインの可能性があるの。
日本呼吸器学会が公開する喘息関連の解説資料では、次のような症状がセルフチェックの目安として挙げられているわ。
- 咳が止まらなくて呼吸困難になることがある
- 夜間から早朝にかけて症状が出やすい
- 煙やハウスダストなどのアレルゲンをきっかけに症状が悪化する
- 呼吸すると「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という喘鳴(ぜんめい)が聞こえる
- 3週間以上続く咳がある
- 症状に日内変動がある(時間帯によって強さが変わる)
呼吸器内科領域の臨床知見でも、喘息による咳は特に夜間や早朝に悪化しやすく、話すと咳き込む、走ると咳が出る、布団に入ると咳が出るといった「特定の状況で出やすい」のが特徴だとされているの。
風邪をひいていないのに2週間以上咳が続く場合、実は「咳喘息」の可能性もあるわ。咳喘息は気管支喘息の一歩手前の状態で、痰の絡まない乾いた咳が長引くのが特徴。この段階でしっかり治療しないと、喘鳴や呼吸困難を伴う気管支喘息へ移行することがあるといわれているのよ。
ちなみに、独立行政法人環境再生保全機構が公表している喘息死亡統計によると、気管支喘息が原因で年間1000人超が死亡しているというデータもあるの。花粉症自体が直接死につながることは基本的にないとされているけれど、花粉症が喘息を悪化させ、その喘息発作が命に関わるケースはあり得るということは、知っておいて損はないわね。
私見になるけれど、「たかが咳」「花粉症のついで」と軽く考えず、咳が長引いたら一度呼吸器内科やアレルギー科を受診する習慣をつけることが、重症化を防ぐ一番のポイントだとわたしは考えているの。
花粉症と喘息、診断や治療はどう進むの?
花粉症と喘息が疑われる場合、医療機関ではどんな流れで診断・治療が進むのか気になる方も多いはずよ。
診断では、主に次の3つの方法が使われるとされているわ。
| 検査方法 | 内容 |
|---|---|
| 臨床所見 | 発作性の呼吸困難、喘鳴、息苦しさなどの症状や生活環境、家族歴を確認 |
| 血液検査 | 血清総IgE、抗原特異的IgE、好酸球数、CRPなどを測定しアレルゲンや炎症の程度を確認 |
| 呼吸機能検査 | スパイロメトリーで1秒量・1秒率を測定し、気道の狭窄度合いを評価 |
呼吸機能検査では、1秒率が70%未満の場合に気道狭窄が疑われるとされているの。また気管支拡張薬を使った後の改善度を見ることで、喘息特有の「可逆性のある気道狭窄」かどうかを判断できるといわれているわ。
治療については、大きく分けて薬物療法と免疫療法の2つのアプローチがあるの。
薬物療法では、吸入ステロイド薬やロイコトリエン受容体拮抗薬で気道の炎症を長期的に抑えるのが基本。効果が不十分な場合は長時間作用性の薬を追加し、発作が起きたときには短時間作用性の吸入薬で気道を素早く拡張させるという使い分けがされているわ。
吸入ステロイド薬は、飲み薬のステロイドと違って全身への影響が少ないといわれているの。「ステロイド」と聞くと副作用が心配になる方もいると思うけれど、用法・用量を正しく守れば、喘息の症状コントロールとQOL(生活の質)向上に役立つとされているわよ。
花粉症治療のひとつに「舌下免疫療法」という選択肢もあるの。これはアレルギーの原因物質を少しずつ体に慣らしていく治療法で、日本アレルギー学会のガイドラインでは、花粉が飛んでいないシーズン、具体的には6月頃〜秋頃に開始するのが望ましいとされているわ。特に治療開始の初回内服時はアナフィラキシーショックなど重い反応が出る可能性があるため、医薬品添付文書でも院内で服用後30分程度、副作用がないか確認しながら進めるという慎重な対応が求められているのよ。
免疫療法全般については、症状の改善や薬の減量、長期的な予後の改善が期待できる一方、効果が現れるまでに数年かかることもあるうえ、継続率の課題も指摘されているの。実際に治療を始めても、通院や毎日の服用を数年続けるのは簡単ではなく、途中で自己判断でやめてしまう方が一定数いるといわれているわ。だからこそ、開始前に医師からしっかり説明を受け、続けられる見通しを立てておくことが大切だとわたしは思うの。
花粉症による喘息悪化を防ぐには?今日からできる対策
花粉症シーズンの喘息悪化を防ぐために、日常生活でできる工夫をまとめておくわね。
- 花粉症の症状は早めに抑えることが重要とされていて、症状がひどくなってから治療を始めると炎症を抑えにくくなる傾向があるため、スギ花粉なら飛散が始まる前(1月末頃)からの内服開始が勧められているの
- 部屋の掃除をこまめに行い、ダニやハウスダストといった気道を刺激するアレルゲンを減らす
- 空気清浄機の活用や、外出時のマスク着用で花粉の吸い込みを減らす
- 喫煙・受動喫煙を避ける(タバコの煙は気道過敏性を高め、喘息症状を悪化させる要因とされているの)
- 規則正しい生活リズムと十分な睡眠、バランスの取れた食事を心がける
- 運動は自転車・水泳・歩行など、運動誘発性喘息を起こしにくいものを選び、無理のない範囲で行う
- ストレスをためこまないよう、自分なりのリフレッシュ方法を見つける
また見落としがちなポイントとして、喘息治療以外の薬にも注意が必要よ。一部の解熱鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬)や、高血圧症・緑内障治療に使われるβ遮断薬は、喘息の症状を悪化させる可能性があると添付文書上でも注意喚起されているの。新しく薬を使う際は、喘息があることを医師や薬剤師にきちんと伝えることが大切ね。
さらに、喘息の重症度は「軽症間欠型」「軽症持続型」「中等症持続型」「重症持続型」の4段階に分けられていて、症状が毎日出る、夜間にも症状で睡眠が妨げられるといった状態になると、重症側に近づいているサインと考えられているわ。花粉症シーズンに症状が急に強くなったと感じたら、この重症度の変化を意識してみるのも一つの目安になりそうね。
花粉症と喘息の関係についての考察・今後の見通し
ここからは、これまでの情報を踏まえたわたしなりの考察を書かせてもらうわね。
まず強く感じるのは、花粉症と喘息を「別々の悩み」として捉えている方が、まだまだ多いのではないかということ。
実際には「One airway, one disease」という考え方の通り、鼻から気管支まで一本につながったひとつの気道でアレルギー反応が起きているの。
花粉症の治療をしっかりすることが、そのまま喘息の予防・悪化防止につながるという視点は、専門家の間では常識でも、生活者にはまだ十分に浸透していないと個人的には感じているわ。
対面販売の現場で長く接客をしていた頃も、「鼻炎の薬」と「喘息の薬」をまったく別物として捉えているお客さまが多かった印象があるの。同じ気道の病気だと知るだけでも、治療への向き合い方は変わってくるはずよ。
近年は生物学的製剤という新しい治療の選択肢も登場しているわ。
これは吸入ステロイドを最大限使ってもコントロールが難しい重症喘息・難治性喘息が主な適応で、IgEや好酸球性炎症といった特定のアレルギー機序を分子レベルで狙い撃ちする治療なの。
対象は限られるものの、こうした選択肢が広がれば、花粉症をきっかけに重症化してしまう喘息患者さんの負担も、少しずつ軽くなっていくのではないかと期待しているわ。
一方で気になるのは、子どもの花粉症が増加傾向にあるという点。
生後間もない時期に多くの花粉にさらされると、スギ花粉症の発症リスクが高まるという疫学調査の結果もあり、11月〜1月生まれの子は花粉飛散が本格化する時期に月齢の低い状態で曝露されやすく、発症リスクが高いともいわれているの。
共働き家庭が増え、子どもの外遊びや通園の環境も多様化する中で、花粉対策は大人だけでなく子どもの健康管理としても、今後ますます重要になっていくとわたしは考えているわ。
筆者としては、「咳が長引く」「花粉症の時期になると毎年息苦しさを感じる」という方は、我慢せずに呼吸器内科・アレルギー科を受診してほしいと強く思うの。
喘息は今のところ完治する治療法がないとされているけれど、吸入薬などで適切にコントロールすれば、健康な人とほとんど変わらない生活を送ることも期待できるといわれているのよ。
だからこそ、症状を放置せず、早めに向き合うことが結局は一番の近道だと感じているわ。
よくある質問
花粉症の人は喘息になりやすいの?
花粉症のある方全員が喘息になるわけではないけれど、成人喘息の約6割を占める「アトピー型」は花粉などのアレルゲンが引き金になるとされていて、花粉症と喘息を併発しやすい体質があると考えられているわ。
咳喘息と気管支喘息はどう違うの?
咳喘息は喘鳴や呼吸困難を伴わず、痰の絡まない乾いた咳だけが長引くのが特徴で、気管支喘息の一歩手前の状態とされているの。放置すると喘鳴を伴う気管支喘息に移行することがあるといわれているわ。
舌下免疫療法はいつから始められるの?
スギ花粉症の舌下免疫療法は、花粉が飛んでいない時期、目安として6月頃〜秋頃に開始するのが望ましいとされているの。花粉飛散シーズン中の開始は避けるのが一般的よ。
まとめ
花粉症と喘息は、鼻と気管支という一本の気道でつながったアレルギー疾患で、花粉が飛ぶ季節には喘息も一緒に悪化しやすいの。
スギ・ヒノキだけでなく、イネ科やブタクサ、ヨモギなど、花粉症の原因になる植物はほぼ一年中どこかで飛散していて、秋の花粉症にも注意が必要よ。
咳が3週間以上続く、夜間や早朝に咳き込む、喘鳴が聞こえるといった症状があれば、咳喘息や気管支喘息のサインかもしれないから、早めの受診を心がけてね。
治療は吸入ステロイド薬や免疫療法などで症状をコントロールしていくのが基本で、花粉症治療を早めに始めることが、シーズンを通した喘息悪化の予防にもつながっていくわ。
なお、治療薬の選択や免疫療法の開始時期は個々の体質や症状によって異なるから、最新の情報は必ずかかりつけ医や専門医に確認してね。
季節の変わり目に体が出すサインを、どうか見逃さないであげてね。


