花粉症は日本だけの病気じゃないのよ。結論から言うと、ヨーロッパはイネ科、アメリカはブタクサ、そして日本はスギが主な原因で、世界中に花粉症で悩む人がいるの。
春になるとマスクとティッシュが手放せなくなるわたしたち日本人。
「こんなに苦しいのは日本だけなんじゃないか」「外国人はこんなに花粉症で悩んでいないんじゃないか」って、一度は思ったことあるんじゃないかしら。
でもね、リサーチしてみると答えは明確で、花粉症は世界共通の悩みなの。
ただし「何の花粉で発症するか」は国や地域によってまったく違うのよ。今日はその違いを、対面販売時代にお客さまの表情の変化から体調や季節の悩みを読み取ってきた観察力でじっくり整理してお届けするわね。
花粉症は日本だけ?海外にもある理由とは
結論から言うと、花粉症はイギリスで1819年に初めて診断された記録が最古とされていて、日本よりずっと前からヨーロッパに存在していたの。
当時は牧草に触れて発症する「枯草熱(かそうねつ)」という夏風邪の一種だと考えられていたそうだけど、後の研究で花粉症だったことが分かったのよね。
だから「花粉症=日本特有の現代病」というイメージは、実は少しズレているの。
花粉症そのものは200年以上前からヨーロッパで記録が残っていて、人類にとって決して新しい悩みじゃないのよ。
ただし、日本の花粉症のあり方には確かに特殊な事情があって、それが「日本だけ突出して患者が多い」と感じさせる理由になっているの。この点はあとで詳しく触れるわね。
花粉症、外国ではどの植物が原因になっているの?
各国の花粉症の原因植物はバラバラで、日本のスギのように一種類が突出しているケースの方がむしろ珍しいの。
世界的には「世界三大花粉症」と呼ばれるものがあって、ヨーロッパ中心の「イネ科花粉症」、アメリカ中心の「ブタクサ花粉症」、そして日本の「スギ花粉症」の3つが代表格とされているわ。花粉症の原因になる植物は世界全体で60種類程度確認されていると言われているの。
- ヨーロッパ:牧草として広く分布するカモガヤなどイネ科が中心。イギリスでは人口の2割以上がイネ科の花粉症に悩まされているとの報告もあるとされているわ
- アメリカ:ブタクサ(ragweed)が主因。アメリカで花粉症が広く知られるようになったのは1900年頃からとされ、現在は人口の1割超がブタクサ花粉症に悩んでいるとも言われているわ
- 北欧:シラカンバ(白樺)が主な原因植物とされているの
- 地中海地域:ヒノキが主な原因植物とされているわ

面白いのは、ブタクサはもともと北米原産の植物なのに、戦後に日本へ持ち込まれたと言われていて、今では日本でもブタクサ花粉症を発症する人がいるということ。植物も人の移動とともに、国境を越えて広がっていくものなのよね。
なぜ「花粉症=日本」というイメージが強いのか
日本の花粉症が特別視される最大の理由は、スギという一種類の植物が、国土のかなりの面積を占めるほど集中的に植えられていることにあるの。
耳鼻咽喉科医を対象にした全国調査によると、日本人の花粉症有病率は1998年に19.6%、2008年に29.8%、2019年には42.5%まで上昇していて、10年ごとにほぼ10%ずつ増えているのよね。このペースが続けば、2029年には50%を超える可能性があると見られているわ。
このうちスギ花粉症だけを見ても、2019年時点で38.8%。つまり花粉症患者の大半がスギを原因にしているの。
その背景にあるのが、戦中・戦後の資材不足で荒廃した森林を復興するために、加工しやすく日本固有の樹種であるスギが全国で大規模に植林されたという歴史なの。
現在、日本の森林の約4割が人工林で、そのうち約4割をスギが占めているとされているわ。スギは植林から20年ほど経つと本格的に花粉を飛ばし始めるから、戦後に植えられたスギが1970年代以降に一斉に成熟し、花粉症患者の急増につながったと考えられているのよ。
つまり日本の花粉症が目立つのは、「花粉症という病気そのものが日本特有」なのではなく、「たった一種類の植物(スギ)を国の方針として大量に植えた結果、原因物質の生産量が突出して多くなった」という、政策的・歴史的な事情が大きいということね。
花粉症、外国人はどう感じている?現地の対策事情
海外でも花粉症患者は増加傾向にあり、対策の重点は「発生源を減らす」より「花粉とどう付き合うか」に置かれているの。
健康問題を研究するニッセイ基礎研究所の村松容子主任研究員が朝日新聞のインタビューで語ったところによると、世界アレルギー機構の2016年資料では、13〜14歳の子どもにおける花粉症の有病率は世界全体で約2割にのぼり、年平均0.3%ずつ増加しているというデータがあるの。海外でも子どもや若い世代の発症増加は日本と同じ傾向なのね。
その理由として指摘されているのが温暖化。花が咲く時期が早まり、かつ長く咲くようになったことで、花粉の総量自体が増えているというわけ。
海外では自生している植物が原因だったり、隣国から花粉が飛来したりするケースが多く、「発生源を根本から取り除く」のが難しいの。
だから気候変動対策や医薬品によるアレルギー症状の緩和、花粉飛散予測の精度向上など、「共存」を軸にした議論が主流になっているのよね。
一方、日本は高度経済成長期に植えられたスギ・ヒノキという明確な発生源があるからこそ、国が「令和15年度(2033年度)までにスギ人工林を約2割減少させる」という具体的な目標を掲げて、伐採・植え替えを進めているの。この「発生源対策」を大きな柱に据えている点が、諸外国とは違う日本の特徴と言えそうね。

花粉症のない国もある?地域差の実態
花粉症は世界中に存在する一方で、韓国や東南アジア(マレーシアなど)、ハワイ、グアムなど、花粉症がほとんど見られないとされる国や地域もあるの。
日本国内でも地域差は大きくて、沖縄では花粉症の人をあまり見かけないと言われているわ。
これはスギ人工林の分布と関係していて、地方別のスギ林面積を見ると東北・九州で特に多く、北海道や関東、沖縄では比較的少ないの。北海道はシラカンバが主な原因植物、沖縄はイネ科が中心という違いもあるのよね。
ただし気を付けたいのは、「スギの少ない地域に住めば一生花粉症と無縁」とは言い切れないこと。
北海道のシラカンバ花粉に反応していた人が東京に引っ越して数年経つと、スギ花粉症を新たに発症するケースもあると医師が指摘しているの。花粉との接触を長期間積み重ねることで、体の中でアレルギー反応の準備(感作)が整ってしまうからなのね。
また東京のようにスギ人工林がそれほど多くない都市部でも花粉症患者が多いのは、スギ花粉が200kmも飛散することがあるためとされているわ。加えてアスファルトの地面では花粉が土に吸収されず舞い上がりやすいことも、都市部で症状が出やすい一因と考えられているの。
花粉症対策、日本と海外で何が違う?
海外では「植栽の制限」や花粉飛散源となる樹木の刈り込み・駆除といった対策のほか、生活環境そのものを整える取り組みが重視されているわ。
アメリカでは症状別に市販薬(OTC)が細かく使い分けられていて、抗ヒスタミン薬に加えて、鼻噴霧薬(Nasal Spray)が鼻粘膜充血解消薬・抗炎症ステロイド・生理食塩水タイプの3種類に分類され、それぞれの特性に応じて使い分けが推奨されているの。
生理食塩水タイプは比較的副作用が少なく、こまめなケアの選択肢として現地で浸透していると言われているのよね。
住まい選びの観点でも、アメリカでは山や森林から少し離れた物件を選ぶ、花粉が滞留しやすい1階を避けて2階以上を選ぶ、室外干しをしない、といった生活の工夫が紹介されているわ。
日本の対策は「発症等対策」(対症療法・アレルゲン免疫療法)、「発生源対策」(スギ人工林の伐採・植え替え)、「飛散対策」(花粉飛散量の予測精度向上)という3本柱で政府主導により進められているの。
ただ、長期的な発生源対策の効果が出るまでには時間がかかる一方、海外のように生活環境の整備を重視した中期的な対策は、日本ではまだ十分に整っていないという課題も指摘されているわ。
私見:花粉症は「国の問題」から「地球規模の問題」になりつつある
ここからは記者としての率直な見立てね。
わたしがリサーチをしていて一番印象的だったのは、「花粉症=日本の風土病」というイメージが、実は歴史を紐解くとかなり誤解を含んでいるということ。
世界最古の花粉症記録はイギリスにあり、原因植物こそ違えど、花粉症という現象自体は人類が古くから向き合ってきた病だったのよね。対面販売の現場でも、季節の変わり目に「今年は目がかゆくて」と話すお客さまは、国籍を問わず一定数いたことを思い出すの。花粉症は特定の国の体質の問題ではなく、その土地の植生とどう長く付き合ってきたかの問題なのだと、今回のリサーチで改めて腑に落ちた気がするわ。
その上で、日本の花粉症がここまで社会問題化した背景には、戦後の植林政策という明確な「人為的な原因」があったという点は、日本特有の教訓として重く受け止めるべきだと考えているわ。
良かれと思って進めた国土復興の施策が、80年近い時を経て国民病を生み出した構図は、政策の長期的な影響を考える上で示唆に富んでいると思うの。
日本の3本柱のうち、個人的にもっとも歩みが遅いと感じるのは「発生源対策」ね。スギ人工林の伐採・植え替えは2033年度までに約2割減という目標だけれど、植え替えた苗木が本格的に花粉を抑える規模に育つまでにはさらに数十年単位の時間がかかると考えられるの。つまりわたしたち世代がその恩恵を実感できるのは、かなり先になりそうだというのが率直な感想よ。
だからこそ短期的には、海外のように「発生源を減らす」だけでなく「花粉とどう共存するか」という生活環境側の工夫を、日本ももっと積極的に取り入れるべきだと筆者としては考えているわ。
そして今、世界各地で温暖化による花粉総量の増加が指摘されている以上、花粉症はもはや「日本だけの問題」でも「特定の国の風土病」でもなく、気候変動と連動したグローバルな健康課題になりつつあると感じているの。
日本がスギの植え替えを進めても、気候変動によって新たな植物由来の花粉症が発生する可能性がある、という村松氏の指摘は、今後さらに注目すべき視点だと思うわね。
これからは「発生源をどう減らすか」だけでなく、「変化していく花粉とどう共存していくか」という海外的な視点も、日本の花粉症対策に取り入れていく価値があるのではないかしら。
よくある質問
花粉症は日本人特有の病気なの?
いいえ、そうではないの。花粉症の最古の記録は1819年のイギリスとされていて、ヨーロッパやアメリカなど世界各国に、それぞれ異なる原因植物による花粉症があるのよ。日本ではスギ花粉症が突出して多い点が特徴なの。
外国人は花粉症にならないの?
そんなことはないわ。ヨーロッパではイネ科、アメリカではブタクサを原因とする花粉症患者が多く、13〜14歳の子どもの有病率は世界全体で約2割というデータもあるの。年々増加している傾向も日本と共通しているのよ。
花粉症がない国もあるの?
韓国や東南アジア(マレーシアなど)、ハワイ、グアムなどは花粉症がほとんど見られない地域とされているわ。ただし、その土地に長く住み続けることで別の花粉に新たに反応するようになるケースもあるから、油断は禁物ね。
まとめ
花粉症は日本だけの病気ではなく、ヨーロッパのイネ科、アメリカのブタクサ、日本のスギを中心に、世界中で人々を悩ませてきた歴史ある病気なの。
日本で花粉症が突出して社会問題化しているのは、戦後の植林政策によってスギという一種類の植物が集中的に増えたという、日本特有の経緯によるところが大きいのよね。
一方で、海外でも温暖化を背景に花粉症患者は増加傾向にあり、「発生源を減らす」日本型の対策と、「花粉と共存する」海外型の対策、それぞれの知恵を取り入れながら向き合っていく時代に入ってきていると言えそうね。


