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「夜泣きで妻が起きない」は甘えではない?夫が知るべき妻の睡眠事情

夜中、赤ちゃんを抱いて起きている疲れた様子の母親と、隣でぐっすり眠っている父親のシルエット 夜泣き

「夜泣きのとき妻だけが起きて、夫はぐっすり寝ている」——これは決して妻の甘えでも、夫を困らせるための誇張でもないの。妻の睡眠は夜泣き対応によって細切れになり、慢性的な睡眠不足状態に置かれているというのが、まず知っておいてほしい事実よ。

夜泣きで妻がキレる本当の理由とは?夫婦の不公平感が鍵

結論から言うわね。妻がイライラし、時にキレてしまう最大の理由は「不公平感」なの。

家族心理学が専門の布柴靖枝先生(文教大学教授)は、講談社の育児メディア「コクリコ」の取材で、夫婦の不仲の原因はほぼこの不公平の感覚だと説明しているわ。

「夜泣きでも寝てる」夫を見た妻の頭には、こんな思いが渦巻いているの。

  • 自分ばかりが毎晩何度も起こされている
  • 日中も休みなく家事や育児が続いている
  • それなのに夫は疲れを知らず眠り続けている

これが積み重なると、ちょっとした一言や態度がきっかけで感情が爆発してしまう。わたしも接客業時代、疲れが限界を超えたお客さまがささいなことで声を荒げる場面を何度も見てきたけれど、それと同じ構造ね。

この「不公平感」は、単発の出来事ではなく毎晩の積み重ねで育つものだからこそ、夫が気づいたときにはもう手遅れになっていることが多い——ここがこの問題の厄介なところだと、わたしは感じているわ。


「夜泣きで妻が起きない」は甘え?夫が知らない育児の役割意識

いいえ、これは甘えではなく、睡眠の仕組みと社会の役割意識、両方が関係している場合が多いわ。

夜泣きは、赤ちゃんの発達過程で自然に起こる現象。全薬工業のサイト「アロパノール」の解説記事(監修:大井美恵子先生、女医によるファミリークリニック院長)によれば、夜泣きは早い場合生後3ヵ月未満から始まり、生後6ヵ月前後にピークを迎え、1歳半前後に終わるケースが多いとされているの。

ただし、対処のしかたや赤ちゃんの個人差によっては2〜3歳まで続くこともあるそう。つまり、育児中の家庭にとって夜泣きは「いつか終わるとはいえ、当面続く」現実的な負担ということね。

その負担がなぜ妻に偏りやすいのか。理由の一つに、脳が発達途中の赤ちゃんは日中受けた刺激をうまく処理しきれず、夜間に何度も覚醒してしまう、という夜泣きの仕組みがあるの。赤ちゃんは眠りが浅いレム睡眠の時間が大人より長く、ちょっとした物音や空腹でも目を覚ましやすい。これは夫婦のどちらの育て方が悪いという話ではなく、赤ちゃん側の発達段階の問題なの。

一方で「夫が起きない」側にも理由があるわ。布柴先生は、父親が子どもの泣き声で起きないのは、「夜泣きで目が覚めるのは母親の役目」という思い込みが、これまで夫が生きてきた社会の構造に根ざしているからだと指摘しているの。

戦後の高度経済成長期以降、「男は外で仕事、女は家で家事・育児」という役割分担が広く定着し、大半の家庭で夜泣き対応は母親がメインで担ってきた。父親が関わる場合も、あくまで「手伝う」という位置づけだったのよね。

今、父親になっている世代の多くは、「夜泣きで起きる父親」というロールモデルを実際に見て育ってきたわけではない——これは個人の甘えというより、時代の意識と実態がまだ追いついていない過渡期の問題だと、わたしは考えているわ。夫本人に悪気がないからこそ、妻が伝えなければ気づかれにくいという点も、見過ごせないポイントだと思う。


妻の睡眠不足はどれくらい深刻?ワンオペ育児がもたらす影響

夜泣き対応をワンオペで担う妻の睡眠は、想像以上に細切れなの。

ピジョンの相談サイトに寄せられたある投稿では、生後11ヵ月の子を育てる母親が「せいぜい連続4時間程度しか寝れなくて精神的にもまいっている」状態だったと綴られているわ。この投稿では、夫が早朝に子どもと添い寝しようとした30分前に、妻がやっと眠りについたばかりだったというタイミングのすれ違いが、夫婦関係の悪化につながったケースも紹介されているの。

※画像はAIによるイメージ

睡眠は「量」だけでなく「連続性」がとても大切。数時間おきに起こされる細切れ睡眠は、まとまった睡眠と比べて心身の回復効果が下がりやすいと言われているわ。十分な睡眠が取れない状態が続くと、育児ノイローゼのようなつらい状態に陥ってしまう恐れもある。

実際、「たまひよ」で連載されている漫画家・青鹿ユウさんのエッセイ漫画『ふうふう子育て』では、夫婦で睡眠時間をずらし交代で夜泣き対応をする仕組みを作っていたにもかかわらず、担当時間中の夫が疲れとストレスの限界で思わず声を上げてしまう場面が描かれているの。

交代制のように「公平にしよう」という工夫をしていてもなお、夜泣き対応がこれほど心身に負荷をかけるという事実は、対策の形以上に、お互いの余力を日々確認し合う姿勢そのものが大切だということを教えてくれるエピソードだと思うわ。


妻のイライラに潜む夫婦間の不公平感、当事者の投稿から見えるもの

発言小町に投稿された、単身赴任中の夫からの相談も象徴的だったわ。

妻は1歳の娘の夜泣きに毎晩3回以上起こされ、朝は5時に起きて上の子の学校の支度もこなしている。それなのに夫は帰宅時に朝9時、10時まで眠っている——この状況に妻はイライラを募らせていたの。

この相談に対して、他の読者からは「育児は休みのない仕事なのだから、夫にも主体的に関わってほしい」「単身赴任中でも、帰宅時くらいは妻を優先して休ませてあげるべき」といった、夫側の意識を問い直す厳しい声が数多く寄せられていたわ。子育ては終わりのない仕事であり、夫が「疲れているから休みたい」と思う気持ちと同じかそれ以上に、妻もまた休息を必要としているというのが、多くの声に共通する指摘だったの。

この投稿から見えてくるのは、「手伝っている」という夫側の自己認識と、「主体的に担ってほしい」という妻側の期待のズレね。お風呂に入れる、買い物中に抱っこする——これらはもちろん立派な育児参加だけれど、妻からすれば「特別なことをしてくれた」というより「親として当然のこと」と映りやすいの。この認識の差が、妻のイライラや夫への不満の火種になっていると考えられるわ。

匿名掲示板の投稿はあくまで一つの体験談であり、すべての家庭に当てはまるわけではないけれど、似た構造の悩みが繰り返し語られていること自体が、この不公平感の根深さを物語っていると、わたしは受け止めているの。


夜泣き対応の不公平感、夫婦で解消する方法とは

布柴先生が提案しているのは、「手伝う」を家庭内の禁止ワードにし、夫婦二人がそろって育児の主任になるという考え方よ。

具体的な工夫として、次のようなものが紹介されているわ。

  • 赤ちゃんの泣き声に反応するセンサーを夫側にも置き、物理的に泣き声を聞こえやすくする
  • 夜泣き対応を当番制にし、平日は妻・週末は夫のように分担する
  • 妊娠中から父親学級などに参加し、育児をする父親のロールモデルに触れておく

前述の『ふうふう子育て』のエピソードのように、時間帯で担当を分ける交代制を導入している家庭もあるの。ただし交代制であっても、担当時間中に一人で抱え込みすぎず、必要なときは助けを求め合える柔軟さが欠かせないというのが、あのエピソードから読み取れる教訓ね。

こうした工夫はどれも「仕組み」の話に見えるけれど、根っこにあるのは「相手の睡眠を、自分の睡眠と同じくらい大切なものとして扱う」という意識の転換だと、わたしは思うの。仕組みだけ整えても、その意識が伴わなければ形骸化してしまうから。

※画像はAIによるイメージ

【私見】夜泣き対応の格差は「愛情の有無」にすり替わりやすい

ここからは、ライターとしてのわたしの考察を書かせてもらうわね。

今回いろいろな体験談や調査を読み込んで感じたのは、夜泣き対応をめぐる不満は、放置すると「愛情そのものへの不信」へとすり替わっていく危うさがあるということ。

ノマドマーケティング株式会社が2023年1月に実施した、全国の40〜59歳の既婚男性1,000名を対象にしたインターネット調査では、妻からの愛情を感じていないと回答した夫が4割にのぼり、「妻から気持ちが離れたと感じる言動」の1位は「冷たい態度・無視される」(14.5%)、2位は「挨拶・会話がない」(10.2%)だったの。

この調査結果自体は夫側の主観に基づくものだけれど、興味深いのは、夜泣き期の睡眠不足によるすれ違いが、対応されないまま積み重なると、こうした「冷たい態度」として夫の目に映るようになっていく可能性がある点よ。妻にしてみれば、疲れきって余裕がなくなった結果の反応であっても、夫側からは「愛情が冷めた」サインとして受け取られてしまう。ここに、この問題の根深さがあると筆者としては感じているわ。

そしてもう一つ、これは今回集めた情報の中でわたしが特に新しい視点として加えたいのだけれど——夜泣き対応の不公平感は、単なる「体力の問題」ではなく「睡眠の質・連続性の問題」として捉え直す必要があると考えているの。

夫が「自分だって疲れて仕事している」と主張するとき、多くの場合それはまとまった睡眠を取れている前提の疲労なのよね。一方妻の疲労は、細切れ睡眠による回復不足が土台にある。同じ「疲れた」という言葉でも、中身がまったく違う。この違いを夫婦がお互いに言語化できるかどうかが、すれ違いを防ぐ第一歩になるとわたしは考えているわ。

今後については、布柴先生が指摘するように、共働き世帯が8割を占める現代にあって、育児のロールモデルの世代交代が徐々に進んでいくと予想されるわ。厚生労働省の「イクメン」プロジェクトが2025年7月に「共育(トモイク)」へと名称を変えたことも、その象徴的な動きの一つと言えそうね。ただし、父親の育児休業取得率がまだ3割程度にとどまっている現状を踏まえると、意識と制度が実態に追いつくまでには、もう少し時間がかかりそうだというのが個人的な見通しよ。


よくある質問

夜泣きで妻だけが起きるのはなぜですか?

赤ちゃんの脳が発達途中で夜間に何度も目を覚ましやすいことに加え、「夜泣き対応は母親の役目」という社会的な役割意識が根強く残っているためと考えられているの。夫個人の甘えや怠慢とは限らないのよ。

夜泣きはいつまで続きますか?

一般的には生後6ヵ月前後にピークを迎え、1歳半前後に落ち着くケースが多いとされているわ。ただし個人差が大きく、2〜3歳まで続くこともあるの。

夜泣き対応の不公平感はどう解消すればいいですか?

「手伝う」という発想をやめ、夫婦がともに育児の主任になる意識を持つことが第一歩よ。泣き声センサーの設置や当番制の導入など、できることから一つずつ試してみてほしいわ。


まとめ

夜泣きで妻が起きて夫が起きないのは、多くの場合、妻の甘えでも夫個人だけの怠慢でもなく、「夜泣きは母親の役目」という社会構造由来の思い込みと、睡眠の質・連続性の違いが重なった結果だということが分かったわね。

妻のイライラやキレやすさの背景には、細切れ睡眠による疲労と、対応の負担が偏る「不公平感」が横たわっている。解消のカギは、「手伝う」という発想を手放し、夫婦がともに育児の主任になるという意識の転換にあるの。

センサーの活用や当番制の導入など、できることから一つずつ取り入れて、夫婦二人三脚で夜泣きの時期を乗り越えていってほしいと思うわ。