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花粉症は遺伝する?親から子への影響を科学的に解説

春の窓辺で花粉症に悩む親子のやわらかいイラスト 花粉症

結論から言うと、花粉症そのものが親から子へそのまま遺伝するわけではないの。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会の「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版(改訂第9版)」によると、両親ともに花粉症の場合、子どもがアレルギー体質を受け継ぐ確率は高くなる傾向があると示されているわ。遺伝するのは「アレルギーを起こしやすい体質」で、そこに生活環境が重なって発症するかどうかが決まるのよ。

わたしは長年、対面販売の現場でお客さまと直接向き合ってきたわ。春先になると「うちの子も花粉症になるのかしら」という相談を本当によく受けたの。その現場感覚をベースに、今回はリサーチャーとして医学的な資料やガイドラインを一次情報から読み込み、事実と推測を分けながらお伝えしていくわね。対面で見聞きしてきた「生活者のリアルな悩み」と、調べ尽くした医学的根拠、この両方をすり合わせるのがわたしの役割だと思っているの。

子どもの花粉症の割合はどれくらい増えている?

結論、増えているわ。日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会が2019年に実施した鼻アレルギー全国疫学調査(2020年版ガイドラインに反映)によると、スギ花粉症をもっている子どもの割合は、0〜4歳で3.8%、5〜9歳で30.1%、10〜19歳で49.5%となっているの。

この調査は1998年・2008年に続く3回目の全国調査で、5〜9歳の有症率は2008年の調査時点の13.7%から2019年の30.1%へと、約10年で2倍以上に増えたことが報告されているわ。

わたしが子どものころは「花粉症は大人がなるもの」というイメージが強かったけれど、今は保育園や小学校でマスクをしている子を見かけるのも珍しくなくなったわね。

この背景には、スギ・ヒノキの花粉飛散量そのものが増えていること、大気汚染物質(ディーゼル排気粒子など)が粘膜のアレルギー反応を強めやすいこと、乳幼児期の生活環境の変化(清潔になりすぎた住環境や食生活の変化など)が免疫の発達に影響している可能性など、複数の要因が重なっていると考えられているの。


花粉症は親から子に遺伝するの?

ここが一番気になるところよね。結論から言うと、「花粉症という病気そのもの」が遺伝するわけではないわ。遺伝するのは、あくまで「アレルギー体質」の部分なの。

花粉症をもっているママやパパの子どもは、アレルギー物質に対する抗体反応が強く出やすく、花粉症になりやすい傾向があると言われているわ。

これは医学的にも裏付けがあって、花粉に対して「IgE抗体(アイジーイーこうたい)」という物質を作りやすい体質かどうかが、遺伝と関わっていると考えられているの。両親や兄弟にアレルギー疾患(喘息やアトピー性皮膚炎なども含む)を持つ人がいる場合、発症リスクはやや高くなる傾向があると言われているわ。

※画像はAIによるイメージ

ただしここで大事なのは、これはあくまで「傾向」や「可能性」の話だということ。

親が花粉症だからといって、必ず子どもも花粉症になるわけではないの。逆に、親が花粉症じゃなくても子どもだけ花粉症になることもあるのよ。体質は遺伝子だけで決まるものではなく、後で紹介する環境要因が大きく関わってくるからね。

わたし自身、これはとても大切なメッセージだと感じているわ。「親が花粉症だから、うちの子はもう避けられない」と決めつけて不安になる必要はないの。遺伝はあくまで一つの要素にすぎないのよ。


発症の仕組み(コップ理論)と体の中で起きていること

花粉症が起こる仕組みを知っておくと、遺伝と環境、どちらの影響もイメージしやすくなるわ。

花粉症は、大まかに次のような流れで発症するの。

  • 花粉が目や鼻から体に入る
  • 体が花粉を異物とみなし、抗体(IgE抗体)を作る
  • 抗体が花粉に反応し、それを排除しようとして鼻水や涙などの症状が起こる

つまり花粉症の出発点は、花粉が体の中に入ってくることなの。花粉を浴びる経験が積み重なって抗体がたくさん作られると、あるとき症状として表に出てくる、というイメージね。

これはよく「コップに水がたまっていく」例えで説明されるわ。体質的にコップが小さい人(アレルギーを起こしやすい体質の人)は、少ない花粉でもコップが早くあふれて発症しやすいの。

逆にコップが大きい人は、同じ量の花粉を浴びても発症しにくいと考えられているわ。遺伝で決まるのは、この「コップの大きさ」の部分だと捉えると分かりやすいかもしれないわね。


遺伝以外に子どもの花粉症を左右する家庭でできる花粉対策

体質の遺伝についてお話ししたけれど、親から子どもへの影響としてもう一つ見逃せないのが「生活環境」よ。

親が花粉を体に取り込みやすい生活を送っていると、同じ環境で育つ子どもも花粉症になりやすい可能性があるの。たとえば、次のような習慣に心当たりはないかしら。

  • 花粉の季節でも外遊びやアウトドアを楽しむ習慣がある
  • マスクやメガネを着ける習慣がない
  • 洗濯物を外に干す習慣がある

家族全体の生活スタイルが、そのまま子どもの花粉の曝露量に直結しているというわけね。

また、都市部に住んでいる家庭ほど花粉症になりやすいとも言われているの。理由として、自動車の排気ガスに含まれるディーゼル排気粒子が花粉と一緒に吸い込まれることでアレルギー反応を強めやすいことや、土のない舗装された地面では花粉が土壌に吸収されずに、風や車の通行で何度も舞い上がる「再飛散」が起きやすいことが指摘されているわ。

つまり子どもの花粉症対策は、「体質は遺伝するかもしれないけれど、環境は変えられる」という前提で考えるのがポイントなの。家族みんなでマスクやメガネを習慣にする、帰宅時に服についた花粉を払い落とす、空気清浄機を活用するなど、日々の積み重ねが発症のタイミングを遅らせることにつながると考えられているわ。

※画像はAIによるイメージ

「親が花粉症だから仕方ない」と諦めなくていい理由

ここからは、わたしなりの考察をお話しさせてね。

このテーマを調べていて改めて感じたのは、「遺伝」という言葉の重さと、実際の医学的な意味合いには、けっこうギャップがあるということ。

「遺伝する」と聞くと、まるで運命のように「必ずそうなる」というイメージを持ってしまいがちだけれど、花粉症に関して言えば、遺伝しているのは体質という「土台」だけなの。そこに花粉をどれだけ浴びるか、どんな生活を送るかという「環境」が積み重なって、はじめて発症という結果につながるわ。

これはわたしが対面販売の現場で感じてきたこととも重なるの。生まれ持った体質や性格は変えられなくても、日々の過ごし方や習慣によって、体の調子や心の状態は大きく変わっていく。花粉症も同じで、「体質は選べないけれど、環境は選べる」というのが実際のところだと思うのよね。

もう一つ、わたしが新しい視点として付け加えたいのが、家庭の「花粉との付き合い方」を見直すタイミングとしての価値よ。子どもの花粉症が心配になったこのタイミングは、実は家族みんなの花粉対策を棚卸しする良い機会でもあるわ。マスクやメガネの習慣、洗濯物の干し方、空気清浄機の使い方など、大人自身の花粉症対策を見直すことが、そのまま子どもを守ることにもつながるの。

今後の見通しとしては、子どもの花粉症はさらに増えていく可能性が高いと考えられるわ。環境省の花粉観測情報などでも、スギの木の高齢化により今後しばらくは花粉の生産量が高い水準で推移するとみられていることに加え、都市化やライフスタイルの変化も続いていくと予想されるから。

また、近年はアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)のように、体質そのものに働きかける治療法の研究や普及も進んでいるわ。今後こうした治療の選択肢が子ども向けにも広がっていけば、「体質だから仕方ない」ではなく「体質に対して早期に手を打てる」時代に変わっていく可能性もあると、筆者としては期待しているの。だからこそ、「うちの子は大丈夫」と油断せず、早めに家庭でできる対策を始めておくことが大切だと感じているわ。

症状が気になるときは、自己判断で様子を見続けるより、早めに耳鼻咽喉科やアレルギー科などの医療機関に相談するのが安心ね。最近はオンライン診療を活用できる環境も整ってきているから、通院のハードルを感じている家庭は、そうした選択肢も検討してみる価値があると思うわ。


まとめ

花粉症そのものは遺伝しないけれど、アレルギーを起こしやすい体質は遺伝する可能性があるの。

親が花粉症だと子どもも花粉症になりやすい傾向はあるものの、それはあくまで傾向であって、必ず発症するわけではないわ。生活環境や花粉の曝露量が発症の有無やタイミングを大きく左右するから、家族でできる花粉対策をコツコツ続けていくことが、子どもを花粉症から守る一番の近道と言えそうね。


よくある質問

親が花粉症だと子どもは必ず花粉症になりますか?

必ずなるわけではないわ。アレルギーを起こしやすい体質は遺伝する可能性があるけれど、実際に発症するかどうかは花粉を浴びる量や生活環境など、さまざまな要因(大気汚染物質、居住環境の花粉再飛散、乳幼児期の生活環境の変化など)が組み合わさって決まると考えられているの。

両親とも花粉症がなくても子どもが花粉症になることはありますか?

あるわ。花粉症は遺伝的な体質だけでなく、花粉の曝露量や生活環境の影響も大きいから、親が花粉症じゃなくても子どもだけ発症するケースは珍しくないのよ。

子どもの花粉症は何歳ごろから増えてきますか?

鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版によると、0〜4歳では3.8%と少ないけれど、5〜9歳で30.1%、10〜19歳で49.5%と、年齢が上がるにつれて有症率がぐっと高くなる傾向があるわ。5〜9歳の数値は2008年の前回調査(13.7%)と比べても大きく増えているの。