深夜に子どもが泣き出すたび、隣で眠るパートナーにイラッとした経験はないかしら。夜泣きが原因の夫婦喧嘩や分担トラブルは、家族心理学者・布柴靖枝先生の知見や、実際の夫婦の体験談から学べる「話し合いの仕組み」で、かなり防げるのよ。
今日はその具体的なやり方を、漫画『青鹿ユウの夫婦でふうふう子育て』のエピソードも交えてお伝えするわね。
夜泣きはなぜ夫婦喧嘩の火種になるの?
結論から言うと、夜泣き対応の「不公平感」が夫婦の不仲の大きな原因になっていると考えられているの。
家族心理学者で文教大学教授の布柴靖枝先生は、夫婦カウンセリングに長年携わってきた立場から、育児・家事情報メディアの取材やコラムで「夫婦の不仲の原因の多くは、この不公平の感覚にある」という趣旨の見解を示しているわ。
「なぜ私ばかり」という気持ちが積み重なると、些細なことで爆発しちゃうのよね。実際にSNSでも、夜泣きで疲れ切った妻が「夫は全然起きない」とこぼす声がたくさん見られるの。
わたし自身も接客業をしていた頃、お客さまの「言葉にならない疲れ」を毎日見てきたから分かるんだけど、人は限界が近づくほど、些細なひと言で感情が溢れ出してしまうものなのよ。夜泣き対応の負担が偏っている家庭ほど、この爆発が起きやすいと言えそうね。
父親が夜泣きに気づかず眠っていられる理由とは?
「自分の役目ではない」という思い込みが、夜泣きを聞き逃す大きな理由のひとつだと考えられているわ。
布柴先生によると、父親が子どもの泣き声で起きにくいのは、個人の性格の問題というより「夜泣きで目が覚めるのは母親の役目」という思い込みが根にあるからだと指摘されているの。
日本では戦後の高度経済成長期に「男は外で仕事、女は家で家事・育児」という役割分担が定着して、夜泣き対応は長らく母親がメインでやってきた歴史があるわ。父親が関わる場合も、あくまで「手伝う」という立ち位置だったのよね。
今は子どものいる夫婦の8割が共働きという時代に変わったのに、育児休業を取得する父親はまだ3割程度なの。
厚生労働省が推進してきた「イクメン」プロジェクトは2025年7月に「共育(トモイク)」プロジェクトへと名称を変更したけれど、社会の実態や父親自身の意識が、この価値観の変化に追いついていないのが現状だと言えそうね。
つまり、目の前で寝ているパートナーだけを責めても根本解決にはならない。彼が育ってきた「お手本のなさ」まで含めて理解する視点が、実はイライラを和らげる第一歩になるのよ。

夜泣き分担、実際どう決めればいい?曜日制・時間帯制の具体例
「手伝う」を禁止ワードにして、夫婦二人が「育児主任」になることが最初の一歩よ。
布柴先生は前述の取材の中で、育児に関する情報も夫婦で共有しながら、同時にトレーニングを積んでいく感覚を持つことが大切だと説明しているわ。具体的な分担方法には、いくつかパターンがあるの。
- 時間帯で分ける:21時〜3時は夫、3時〜9時は妻、担当外はお互いに頼まない限りぐっすり眠っていいというルール
- 曜日で分ける:平日は妻、週末は夫が担当し、日中の昼寝で睡眠不足を補う
- 完全交代制の日を作る:「今夜はあなたの担当。私は別室で耳栓をして寝る」と決め、週1〜2日はまとまった睡眠を確保する
実際に、漫画家・青鹿ユウさんが夫婦の育児エピソードを描く連載『青鹿ユウの夫婦でふうふう子育て』の第40話「夫婦交代制で夜泣き対応!ところが夫のストレスが限界を迎えて……」には、この時間帯分担がそのまま描かれているわ。
夫の担当時間が21時〜朝3時、妻が朝3時〜9時という取り決めだったの。娘の「ふーみん」ちゃんは寝つきが悪い赤ちゃんで、夫婦とも寝不足が続いていたそう。
ある夜、担当外で眠っていた妻が、夫の「あーー!!」という大きな声で飛び起きたの。連日の夜泣き対応と仕事の忙しさで余裕を失っていた夫が、泣き止まないふーみんちゃんに耐えきれず声を上げてしまった場面だったのよね。
妻が「交代するよ」と申し出ると、夫は「いいよ! 僕の担当の時間でしょ! 休んでいて!」と強く言い返したというエピソードなの。
妻は思わず「イライラしてる人が子どもと一緒にいると危ないから、むしろ代わって」と言い返しそうになったけれど、ある出来事を思い出して言葉を飲み込んだ、というところで続きは次話に持ち越されているわ。
このエピソードが示しているのは、分担のルールを決めていても、担当している側が限界を迎えたときに「代わってあげたい」気持ちと「自分の担当を全うしたい」気持ちがぶつかり合う瞬間があるということ。ルールだけでは防ぎきれない揺らぎが、実際の子育てには必ず出てくるのよね。
授乳中でミルクに切り替わっていない赤ちゃんの場合は、どうしても母親の対応が必要になる場面が多いわ。その時間帯はパートナーが家事や翌朝の準備でサポートに回るという役割分担も、現実的な選択肢のひとつよ。
感情的にならずに話し合うにはどうする?
疲れている「その場」で話し合わないことが、一番の防止策よ。
夜泣き対応の直後や寝不足の状態で話し合うと、どうしても感情的になりやすいの。朝の少し落ち着いた時間や、週末の昼間など、お互いに余裕があるタイミングを選ぶことが大切なのよね。
伝え方も工夫の余地があるわ。「あなたは協力してくれない」ではなく「私は疲れていて辛い、助けてほしい」と、自分の気持ちを主語にして伝える「Iメッセージ」を意識すると、相手を責める空気を作らずに済むの。
具体的な依頼に落とし込むのも効果的よ。「昨夜は3回夜泣きがあった。今夜は2回対応してもらえると助かる」というように、事実と希望をセットで伝えると、相手も動きやすくなるわ。
毎週日曜日の昼など、定期的に夜泣きの状況や分担を振り返る時間を持つ家庭もあるの。問題が大きくなる前に、小さな不満をその都度解消できるのが利点ね。
夫婦喧嘩は本当に子どもの夜泣きを悪化させるの?
こどもは親の喧嘩や緊張を敏感に察知していて、そのストレスが夜泣きとして表れることがあると言われているわ。
言葉の意味が分からない乳児でも、声のトーンや表情から親の感情を読み取る力があるとされているの。夫婦が言い争う声の大きさや険しい表情、張り詰めた空気は、こどもにとって大きな脅威に感じられるのよね。
直接的な喧嘩だけじゃなく、口をきかない・目を合わせないといった「冷戦状態」も、こどもは敏感に察知するといわれているわ。1歳半を過ぎると言葉の内容もある程度理解し始めるから、育児をめぐる喧嘩だと「自分が原因では」と感じてしまうこともあるといわれているの。
日中に感じた不安やストレスは、夜になって夜泣きという形で表面化しやすいそう。親の緊張を感じたこどもは警戒状態になりやすく、浅い眠りが増えて、ちょっとした刺激で目が覚めやすくなる、という見方もあるわ。目覚めたときに親の姿が見えないと「また喧嘩しているのでは」という不安から、激しく泣いて親を呼ぶこともあるようなの。
つまり、夫婦喧嘩と夜泣きは一方通行の関係ではなく、疲労→喧嘩→夜泣き悪化→さらなる疲労という悪循環を作りやすいと考えられている。だからこそ、喧嘩そのものを未然に防ぐ仕組みづくりが重要になってくるの。

夜泣きで共倒れしないために。夫婦関係を守る工夫
外部サポートを取り入れて、二人がまとまって休める時間を確保することが、共倒れを防ぐ鍵よ。
夫婦だけで抱え込まず、一時預かりサービスやファミリーサポート、実家の協力を積極的に頼ることも選択肢のひとつ。数時間でもこどもを預けられれば、その間にどちらかがまとまった睡眠をとれるわ。月に1〜2回でも夫婦だけの時間を持てると、関係の維持につながるといわれているの。
もし喧嘩をしてしまっても、こどもの前で「さっきはごめんね」「こちらこそ」と謝り合う姿を見せることは意味があるわ。言葉の意味が分からない月齢でも、優しい声のトーンや、家族で抱き合う時間が安心感を与えてくれると考えられているの。
そして忘れないでほしいのが、夜泣きには終わりがあるということ。多くの場合、生後6か月頃から1歳半頃がピークで、2歳頃には睡眠サイクルが安定して落ち着いていくといわれているわ。「あと半年」「あと1年」と期限を意識するだけでも、気持ちの持ちようがずいぶん変わってくるのよね。
【筆者の考察】分担のルールより先に、疲労のサインを共有すること
ここからは、リサーチャーとしてこのテーマを調べてきたわたしの率直な所感を書かせてね。
今回いろいろな事例を見ていて感じたのは、多くの夫婦が「分担のルール作り」には熱心なのに、「相手が限界に近づいているサイン」を共有する習慣が抜け落ちがちだということ。青鹿ユウさんの漫画のエピソードでも、時間帯という明確なルールがあったにもかかわらず、夫が声を上げてしまう場面があったわよね。
ルールは大切だけど、それだけでは人の心の揺らぎまではカバーしきれないと、わたしは考えているの。
だからこそ提案したいのが、分担表と一緒に「今日のしんどさレベル」を一言共有する習慣。「今日は5段階中4、限界に近い」くらいの軽さで伝え合うだけで、相手も「今夜は代わろうか」と声をかけやすくなるはずよ。
これは元の情報にはなかった視点だけれど、対面販売で日々多くのお客さまの表情や声のトーンから疲れ具合を読み取ってきたわたしの経験から、特に効果的だと感じている工夫なの。
もうひとつ、個人的に大事だと思うのは「担当の時間を守ること」と「担当を代わってもらうこと」、どちらも「負け」ではないと夫婦で確認しておくこと。
青鹿さんの漫画で夫が「僕の担当でしょ!」と意地を張ってしまった背景には、もしかすると「代わってもらう=自分が弱い」という思い込みがあったのかもしれない。ルールを厳格に守ることより、しんどい時に助けを求められる柔軟さのほうが、長い目で見れば夫婦関係にとって健全だとわたしは考えているわ。
今後の見通しとしては、共育(トモイク)プロジェクトのような社会全体の意識変化が進むにつれて、父親が「夜泣きは母親の役目」と思い込むケースは徐々に減っていくと予想されるの。ただし、育休取得率がまだ3割程度という数字を見る限り、実態が追いつくにはもう少し時間がかかりそうね。
今この時期を子育て中の夫婦は、社会の仕組みを待つより先に、自分たちなりの分担と話し合いのルールを作っていくことが、結局は一番の近道になると個人的には思うわ。
よくある質問
夜泣きの分担は何時間ごとに交代するのがいい?
決まった正解はないけれど、漫画『ふうふう子育て』のように21時〜3時、3時〜9時と6時間ずつで分ける方法や、曜日ごとに丸一日担当を分ける方法など、家庭のリズムに合わせて選ぶ夫婦が多いようよ。
布柴靖枝先生とはどんな専門家?
文教大学の教授で、家族心理学を専門とし、長年にわたり夫婦カウンセリングに携わってきた研究者よ。育児・家事メディアの取材で、夫婦の不公平感がすれ違いの原因になりやすいという見解を示しているわ。
夜泣きはいつまで続くの?
個人差はあるけれど、生後6か月頃から1歳半頃がピークになりやすく、2歳頃には睡眠サイクルが安定してくることが多いといわれているの。「いつか終わる」という視点を持つだけでも気持ちが楽になるはずよ。
まとめ
夜泣きが原因の夫婦喧嘩は、対応の「不公平感」から生まれることが多く、その背景には父親側の「夜泣きは母親の役目」という無意識の思い込みがあると考えられているの。
曜日制や時間帯制で分担を明確にし、感情的にならないタイミングで「Iメッセージ」を使って話し合うことが、喧嘩を防ぐ具体的な方法よ。漫画『青鹿ユウの夫婦でふうふう子育て』が描いたように、ルールがあっても心が揺らぐ瞬間はある。それを責め合うのではなく、代わり合える柔軟さを夫婦で確認しておくことも大切ね。
それでも喧嘩をしてしまったら、こどもの前で仲直りする姿を見せること。そして夜泣きには必ず終わりが来ることを夫婦で共有しながら、外部サポートも借りつつ、二人で乗り越えていってね。


