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花粉症で熱っぽい・だるいときはコロナ?症状を判断する際の注意点

花粉が舞う春の室内で体温計と症状記録を確認する女性 花粉症

花粉症で熱っぽく、だるいだけではコロナか判別できず、症状の組み合わせと経過、検査で判断します。

目や鼻のかゆみは花粉症を示す手がかりですが、発熱や強い倦怠感、のどの痛みがあれば、新型コロナを含む感染症も考える必要があります。

花粉症とコロナの違いは症状のどこに表れる?

花粉症と新型コロナは、鼻水、鼻づまり、頭痛、だるさなどが重なるため、一つの症状だけでは区別できません。

比較するときに優先したいのは、目や鼻のかゆみ、発熱、全身症状、症状が現れた状況の4点です。

確認する点 花粉症を示唆する傾向 感染症を疑う手がかり
目や鼻のかゆみ 比較的特徴的 主症状ではないことが多い
くしゃみ 連続して出やすい 出ることはある
鼻水 透明で水のような鼻水が多い 鼻水だけでは判別できない
症状の変動 外出後や花粉の多い日に悪化しやすい 花粉量との連動が明確でない
発熱・悪寒 典型的な中心症状ではない 発熱や寒気を伴うことがある
だるさ 鼻づまりや睡眠不足でも起こる 強い倦怠感や筋肉痛を伴うことがある
のど・咳 口呼吸や鼻水の流入で違和感が出ることがある のどの痛みや咳を伴うことがある
周囲の状況 人との接触に左右されない 家庭や職場で感染者がいれば判断材料になる

目や鼻のかゆみは花粉症の有力な手がかり

日本アレルギー学会は、花粉症に代表される季節性アレルギー性結膜炎について、アレルゲンが目の表面に付着し、かゆみや充血、なみだ目などが起こる病気と説明しています。

目のかゆみと連続するくしゃみ、透明な鼻水がそろい、屋外へ出た後に悪化するなら、花粉症らしい経過です。

ただし、目がかゆいことは、新型コロナに感染していない証明にはなりません。もともと花粉症がある人に感染症が重なれば、かゆみと発熱、倦怠感が同時に現れる可能性があるからです。

熱っぽさと実際の発熱は分けて考える

花粉症では、鼻づまりによる睡眠不足、くしゃみによる疲労、口呼吸によるのどの乾燥などから、体がほてる、頭が重い、だるいと感じることがあります。

一方、体温計で確認できる発熱は、花粉症の典型的な中心症状ではありません。寒気、筋肉痛、強い倦怠感、のどの痛みなどもある場合は、コロナ、インフルエンザ、その他の急性呼吸器感染症を含めて考えます。

2025年に日本感染症学会、日本呼吸器学会、日本化学療法学会、日本臨床微生物学会、日本環境感染学会がまとめた「5学会による 新型コロナウイルス感染症 診療の指針 2025」でも、発熱・悪寒、咽頭痛、鼻水・鼻づまり、咳、倦怠感、筋肉痛、頭痛など、ほかの呼吸器疾患と重なる症状が示されています。

新型コロナでも発熱しないことがあり、症状の出方には個人差があります。「高熱ではないからコロナではない」「鼻水があるから花粉症」とは決められません。

37.5度は現在も見分ける基準になる?

37.5度だけを境に花粉症とコロナを分けることはできません。

この数字が紹介された元資料は、大正製薬「大正健康ナビ」が日本医科大学の大久保公裕先生に行った、2021年1月29日のインタビューです。

当時の記事では、花粉症でも微熱が出ることはあるものの、37.5度以上の熱と鼻やのどの症状がある場合は新型コロナを疑い、「発熱者外来」を受診するという考え方が紹介されていました。

また、花粉症による嗅覚・味覚の低下は鼻づまりに伴いやすく、新型コロナでは鼻が詰まっていなくても起こる場合があるという説明もありました。

ただし、これは2021年当時の流行状況と医療体制に基づく情報です。現在の判断基準として、そのまま機械的に当てはめるものではありません。

平熱が36.0度前後の人と37.0度前後の人では、同じ37.4度でも受け止め方が異なります。37.5度未満でも感染症の可能性はあり、37.5度以上でも新型コロナ以外の原因が考えられます。

大切なのは、自分の平熱との差、症状の強さ、時間による変化をまとめて見ることです。

※画像はAIによるイメージ

熱っぽい・だるいときは何を確認すればよい?

「測る、記録する、人との接触を調整する」の順で行動すると、診断名が分からない段階でも安全を確保しやすくなります。

症状の名前当てを急ぐより、現在の体調を具体化し、次の行動を決めることが重要です。

1.落ち着いた状態で体温を測る

まず、熱っぽい感覚と実際の体温を分けます。

入浴、運動、飲食、厚着、暖房の効いた部屋で過ごした直後は体温が変動しやすいため、少し休んでから測ります。測定した時刻と数値も残してください。

一度の数値だけでなく、朝、昼、夜でどう変化したかを確認すると、受診時にも説明しやすくなります。

2.症状と経過を短く記録する

次の項目をスマートフォンのメモなどに記録します。

  • 症状が始まった日時
  • 体温を測った時刻と数値
  • 目や鼻のかゆみの有無
  • 鼻水、鼻づまり、くしゃみの状態
  • のどの痛み、咳、悪寒、筋肉痛の有無
  • においや味の変化
  • 屋外で悪化し、室内で軽くなるか
  • 家族、職場、学校などでの感染状況
  • 前夜に十分眠れたか
  • 服用した薬の名称と時刻
  • 例年の花粉症と違う点

特に役立つのは、「ある・ない」だけでなく、変化を記録することです。

たとえば「朝は目のかゆみと透明な鼻水だけだったが、夕方から37.8度になり悪寒が加わった」と分かれば、花粉症だけで説明せず、感染症も考えるべき変化だと伝えやすくなります。

3.薬による眠気も確認する

花粉症に使われる抗ヒスタミン薬の中には、眠気や注意力低下が起こるものがあります。服薬後にだるさが強くなった場合は、薬の影響も判断材料になります。

ただし、「薬の眠気だろう」と考えて発熱や体調悪化を見逃してはいけません。自己判断で服用量を変えず、添付文書を確認し、薬剤師や医師へ相談してください。

運転や機械操作に関する注意がある薬を服用した場合は、その指示を守る必要があります。

4.花粉症とコロナ以外の可能性も残す

黄色や緑色の粘り気のある鼻水、頬や額の痛み、強い頭痛、いったん軽くなった後の悪化などがある場合は、副鼻腔炎を含む別の病気も考えられます。

インフルエンザやほかの急性呼吸器感染症でも、発熱、だるさ、頭痛、のどの痛みは起こります。花粉症かコロナかという二択にせず、長引く場合は医療機関へ相談してください。

※画像はAIによるイメージ

症状別にどう判断する?3つのケースで整理

症状が似ているときは、ケースごとに「花粉症らしさ」「感染症を疑う変化」「取るべき行動」を分けると判断しやすくなります。

ケース1.目がかゆく、透明な鼻水とくしゃみが続く

目や鼻のかゆみが強く、透明な鼻水と連続するくしゃみがあり、外出後や風の強い日に悪化する場合は、花粉症を示唆する要素が多い状態です。

発熱、悪寒、強い倦怠感がなく、例年と同じ経過であれば、花粉を避ける工夫と適切な花粉症治療を検討します。

ただし、後から発熱やのどの痛みが加わった場合は判断を更新してください。朝に花粉症らしかったことが、夕方の感染症を否定する材料にはなりません。

ケース2.目のかゆみはあるが、発熱とのどの痛みもある

これは花粉症と感染症が重なっている可能性を考えたいケースです。

目のかゆみだけを見れば花粉症らしくても、発熱、悪寒、筋肉痛、普段より強いだるさが加われば、花粉症だけでは説明しにくくなります。

体調が悪い間は対面予定を見直し、承認された検査キットによる確認や医療相談を検討してください。家族や職場に感染者がいる場合は、接触状況も医療機関へ伝えます。

ケース3.熱は高くないが、だるさと咳が続く

37.5度未満でも、新型コロナを除外することはできません。

平熱との差が大きい、咳やのどの痛みが増している、身近に感染者がいる、仕事や家事が難しいほどだるいといった場合は、体温の数字だけで外出を決めないことが大切です。

一方、鼻づまりで眠れなかった翌日や、眠気の出る薬を服用した後にもだるさは起こります。経過を記録し、改善しない場合や原因を判断できない場合は医療機関へ相談してください。

この3例から分かるのは、花粉症らしい所見があるかではなく、感染症を疑う所見が追加されていないかを見ることが重要だという点です。


コロナか迷うときは検査・受診をどう選ぶ?

症状が重くなく、自宅で確認できる人には承認済み抗原検査キットが選択肢になりますが、陰性だけで感染を否定することはできません。

高齢者、妊婦、子ども、基礎疾患がある人、症状が強い人は、セルフチェックの結果だけに頼らず、早めに医療機関へ相談してください。

検査キットは承認表示を確認する

厚生労働省は、新型コロナの検査キットについて、国が承認した次の表示がある製品を選ぶよう案内しています。

  • 医療用の「体外診断用医薬品」
  • 一般用の「第1類医薬品」

「研究用」と表示された製品は、国が診断用として性能を確認したものではありません。体調判断には使用せず、厚生労働省の承認品目一覧や製品表示を確認してください。

検体の採り方、使用できる時期、判定までの時間は製品ごとに異なります。説明書から外れた使い方をすると、結果の信頼性が下がる可能性があります。

陰性でも症状が続けば再評価する

「5学会による 新型コロナウイルス感染症 診療の指針 2025」は、抗原定性検査について、核酸増幅検査や抗原定量検査より検出感度が低く、陰性結果だけで非感染と判断しないよう注意を示しています。

感染の初期、検体採取が不十分だった場合、検出できるウイルス量に達していない場合などには、感染していても陰性となる可能性があります。

陰性でも症状が続く、悪化する、感染者との接触がある場合は、製品の説明書に従って対応し、必要に応じて医療機関へ相談してください。

陰性とは「その検査で抗原が検出されなかった」という結果であり、「外出しても他人へうつさない」という許可証ではありません。

2024年4月以降は一般の医療機関へ相談する

厚生労働省によると、外来対応医療機関の指定・公表は2024年3月末で終了し、同年4月以降は、広く一般の医療機関が新型コロナの診療に対応する通常の医療提供体制へ移行しました。

そのため、2021年の資料にある「発熱者外来」という名称だけを頼りに探すのではなく、現在は、かかりつけ医や地域の医療機関へ事前に連絡し、受診方法を確認するのが基本です。

診療時間や対応方法は医療機関によって異なります。直接出向く前に、電話や公式案内で確認してください。

早めの受診が必要な人

次に該当する人は、症状が軽く見えても早めの相談が必要です。

  • 高齢者
  • 妊婦、または妊娠している可能性がある人
  • 基礎疾患がある人
  • 免疫機能が低下している人
  • 乳幼児や小学生以下の子ども
  • 症状が急に悪化している人
  • 水分や食事を十分に取れない人

治療薬には使用できる時期や対象者に条件があります。重症化リスクがある人は、自己判断で長く様子を見ず、早めに相談することが重要です。

今すぐ医療相談・救急要請を考える状態

呼吸が苦しい、胸の痛みがある、意識がもうろうとする、顔色が明らかに悪い、水分をほとんど取れないといった状態では、花粉症かコロナかを自宅で考え続ける段階ではありません。

緊急性が高い場合は119番を利用してください。判断に迷う場合は、地域で利用できる救急相談窓口を確認します。

※画像はAIによるイメージ

筆者の考察|診断名より先に3つの行動を決める

筆者として最も注意が必要だと考えるのは、「花粉症かコロナかを完全に見分けてから行動しよう」とすることです。

家庭では診断を確定できない場面が多く、迷っている間にも通勤、登園、家族との食事などの予定は進みます。そこで役立つのが、診断名ではなく次の3点で考える方法です。

  • 今日、人との近い接触を減らす必要があるか
  • 検査や経過観察で確認すべき状態か
  • 医療相談を急ぐ変化があるか

この考え方なら、目のかゆみがあっても発熱が加わったときに予定を見直せます。抗原検査が陰性でも、強いだるさが続くなら接触を減らし、医療相談へ進めます。

反対に、例年と同じ目のかゆみと透明な鼻水だけで、発熱や全身症状がなければ、花粉を避ける工夫と治療相談を中心に考えられます。

つまり、判断は一度で終わるものではありません。症状が増えた時点で結論を更新する「時間軸」が、花粉症と感染症の重なる季節には欠かせません。

これは2021年の情報を現在に読み替える際にも重要です。当時、大久保公裕先生は37.5度や発熱者外来を分かりやすい手がかりとして紹介しましたが、現在は流行状況、免疫の背景、検査環境、医療体制が変わっています。

一方で、「毎年の花粉症だと思い込まず、普段と違う変化を見逃さない」という核心は今も有効です。

元資料に掲載された東京都のスギ花粉症有病率48.8%、関東で前年の1.8倍、関西で1.5倍という花粉飛散量の予測は、いずれも2021年当時の背景情報です。現在の有病率や飛散量を示す数字ではないため、今日の受診判断には使用できません。

これらの数値が示していたのは、花粉症が一部の人だけの問題ではなく、感染症流行時には多くの人が似た症状で迷う可能性があったという社会的な背景です。現在の花粉飛散状況は、気象機関や自治体などが発表する最新情報で確認する必要があります。

わたしは、医療情報では分かりやすさと同じくらい、「分からないことを分からないまま扱う姿勢」が大切だと考えています。症状だけで断定せず、時間の経過と検査、必要な診察を組み合わせることが、本人と周囲の双方を守る現実的な方法です。


まとめ

花粉症で熱っぽい、だるいと感じても、症状だけで新型コロナかどうかを判断することはできません。

目や鼻のかゆみ、透明な鼻水、花粉の多い屋外での悪化は花粉症を示唆します。一方、実際の発熱、悪寒、強い倦怠感、筋肉痛、のどの痛みが加わった場合は、感染症を考える必要があります。

37.5度は2021年当時に紹介された一つの手がかりであり、現在の確定基準ではありません。体温、平熱との差、症状の組み合わせ、時間による変化を記録してください。

検査には国が承認した製品を使用し、陰性でも症状が続く場合は感染を否定せず、医療機関へ相談します。呼吸困難や意識の異常などがある場合は、検査結果にかかわらず緊急の対応が必要です。


よくある質問

花粉症でも37度台の体温になることはありますか?

熱っぽさを感じることはありますが、測定できる発熱は花粉症の典型的な中心症状ではありません。

37度台でも、悪寒、のどの痛み、咳、筋肉痛、強いだるさがある場合や、平熱との差が大きい場合は、感染症も考えて経過を確認してください。

目がかゆければコロナではありませんか?

目のかゆみは花粉症を示す有力な手がかりですが、新型コロナを否定する根拠にはなりません。

花粉症と感染症が同時に起こる可能性があるため、発熱や普段と違う全身症状が加わった場合は、検査や医療相談を検討してください。

抗原検査が陰性なら出勤や外出をしてもよいですか?

一度の陰性だけで、感染していないとは断定できません。

体調不良が続く間は人との近い接触を減らし、勤務先や施設のルールも確認してください。症状の悪化や感染者との接触がある場合は、医療機関へ相談します。


情報源・編集方針

本記事は診断や治療の代わりとなるものではありません。症状や基礎疾患には個人差があるため、具体的な判断は医師・薬剤師などの医療専門職へ相談してください。

本記事には医師・薬剤師による個別監修はありません。公的機関・専門学会の資料を照合し、2021年当時の情報と現行情報を分けて記載しています。

情報最終確認日:2026年8月31日

参照資料:

執筆:東雲 朝陽(ライフスタイルライター)