結論:1歳8ヶ月の夜泣きは起こり得ますが、月齢だけで正常・異常を判断することはできません。
一度ぐっすり眠れるようになったあとでも、生活リズム、寝室環境、体調、寝る前の抵抗などが重なれば、夜中に泣くことはあるわ。まず安全と体調を確認し、呼吸や意識に異常があれば「夜泣き」と決めつけず、緊急度に応じて受診してね。
1歳8ヶ月で夜泣きが復活するのは普通?
1歳8ヶ月で夜泣きが復活すること自体は、直ちに異常を意味しません。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、乳幼児期を睡眠が不安定になりやすく、さまざまな睡眠の問題が生じやすい時期と説明しています。
ただし、「1歳8ヶ月なら普通」「何歳までは心配ない」という医学的な境界線があるわけではないの。大切なのは月齢だけで判断せず、以前との違い、泣き方、呼吸、顔色、食事や水分、昼間の元気を一緒に見ることよ。
1~2歳の睡眠時間は11~14時間が目安
米国睡眠医学会は、1~2歳児について、昼寝を含む24時間の睡眠時間を11~14時間とすることを推奨しています。この目安は厚生労働省の睡眠ガイドにも掲載されています。
もっとも、11時間を1分下回っただけで異常になるわけではありません。必要な睡眠時間には個人差があるため、数字とともに、朝の目覚め、日中の眠気や機嫌、寝つき、夜間覚醒の変化を確認する必要があります。
日中と夜間を合わせた時間で考えるのもポイントよ。夜だけを見ると短く感じても、昼寝を含めれば目安に入る場合があります。反対に、夜泣きが増えたうえに昼寝も短くなり、日中ずっと眠そうなら、睡眠全体が足りていない可能性を考えます。
559人調査の「1歳6ヶ月以降」はどう読む?
大王製紙が2024年9月26日に公開した記事には、クラブエリエール会員を対象とした夜泣き調査が掲載されています。
調査期間は2024年6月25日から7月1日、有効回答数は559件。対象は、3ヶ月から未就学の子どもがいる20~70代の男女で、インターネットによって回答を集めたものです。
この調査では、子どもに夜泣きがあったと答えた人が約7割で、夜泣きが終わった時期として最も多かった回答は「1歳6ヶ月以降」でした。一度落ち着いたあとに再び泣く子も含め、夜の眠り方に幅があることを知る参考にはなるわね。
一方、これは1歳8ヶ月児だけを追跡した医学研究ではありません。「1歳6ヶ月以降」と答えた割合の詳細や、夜泣きの頻度、健康状態、生活環境なども公表情報だけでは十分に比較できないため、正常・異常を判定する根拠には使えないの。
つまり、企業調査から言えるのは、1歳半を過ぎても夜泣きを経験した家庭が一定数あるというところまで。個々の子どもの医学的な判断には、体調や発達、生活の様子を確認する必要があります。
| 確認できる情報 | そこから言えること | 言えないこと |
|---|---|---|
| 1~2歳の推奨睡眠時間は11~14時間 | 昼寝を含めた睡眠量の目安になる | 個々の子に必要な正確な時間 |
| 企業調査では終了時期の最多回答が1歳6ヶ月以降 | 1歳半以降まで続いた家庭がある | 1歳8ヶ月の夜泣きが必ず正常であること |
| 乳幼児期は睡眠が不安定になりやすい | 夜間覚醒が再び起こる可能性はある | 泣いている原因や病気の有無 |
わたしが複数の資料を比べて重要だと感じたのは、「1歳8ヶ月の睡眠退行」という月齢固有の病名や診断基準は、公的資料や専門学会の推奨には示されていないことよ。検索で見かける便利な呼び名だけに当てはめず、その子に何が変わったのかを見るほうが確かです。
1歳8ヶ月の夜泣きが復活する原因は?
夜泣きの原因を家庭だけで一つに特定できないことは珍しくありません。睡眠時間や生活の変化に加え、鼻づまり、発熱、痛みなどの身体的な不快感が隠れている場合もあります。
「日中の刺激を睡眠中に整理するから泣く」「イヤイヤ期の感情が夜泣きを起こす」といった説明も見かけますが、個々の夜泣きとの直接的な因果関係を家庭で確認することはできません。もっともらしい理由を決めつけるより、確認できる事実を順番に集めましょう。
睡眠時間と生活リズムの変化
起床、昼寝、食事、入浴、就寝の時刻が大きく変わったときは、眠くなるタイミングも揺れやすくなります。保育園への入園や進級、旅行、引っ越し、家族の勤務時間の変化などがなかったか振り返ってみてね。
昼寝が遅い日に寝つきが悪くなる子もいれば、昼寝を削ったことで疲れすぎ、かえって落ち着きにくくなる子もいます。全員に共通する正解の昼寝時間はないため、一晩の印象ではなく、数日間の様子から調整することが大切です。
厚生労働省は、睡眠・覚醒リズムを整えるため、夜は暗くし、朝はカーテンを開けて部屋を明るくする方法を示しています。毎日の起床時刻を大きくずらさず、朝の光を取り入れることから始めると、暮らしの中に無理なく組み込みやすいわ。
暑さ、寒さ、鼻づまりなどの不快感
寝室の温度、寝具、衣類、おむつ、空腹、のどの渇き、鼻づまりなども確認したい項目です。季節の変わり目には、前日と同じパジャマでも暑すぎたり、明け方だけ冷えたりすることがあります。
手足の温度だけで判断せず、首元や背中に汗をかいていないか、胸やお腹が冷えていないかを確認して調整しましょう。歯が生える時期の違和感、便秘による腹部の張り、風邪や中耳炎などに伴う痛みが眠りを妨げる可能性もあります。
ただし、耳を触るだけで中耳炎、夜中に泣くだけで歯の痛みとは断定できません。発熱、鼻水、食欲低下、横になると激しく泣くなど、ほかの変化が重なっているときは、診察で確認してもらう材料になります。
イヤイヤ期は直接の原因なの?
1歳8ヶ月は、自分で決めたい気持ちが強くなる一方、その希望を十分な言葉で伝えられない子も多い時期です。着替えや歯みがき、遊びの終了、布団へ移ることに抵抗し、就寝時刻が遅くなるケースは考えられます。
けれども、イヤイヤ期そのものが夜泣きを直接起こすと断定できる根拠は確認できません。寝る前の抵抗によって睡眠時間が短くなる、親子ともに興奮した状態が長引くなど、間接的に眠りへ影響する可能性として捉えるのが慎重な見方よ。
対応するときは、「自分でやりたかったね」と気持ちを短く受け止めたうえで、「青と黄色、どちらのパジャマにする?」のように二つの選択肢を示してみましょう。要求をすべて通すのではなく、自分で決められる小さな余白をつくる方法です。
大きないびきや呼吸の乱れ
毎晩のように大きないびきをかく、眠っている間に息が止まったように見える、苦しそうに呼吸する、何度も体勢を変える場合は、単なる夜泣きとして扱わず小児科へ相談してください。
録画する余裕と安全が確保できるなら、呼吸音や胸の動きが分かる短い動画を残すと、診察時の参考になることがあります。撮影を優先して受診や119番通報を遅らせないことが前提よ。
復活した夜泣きに今夜どう対応する?
今夜は、安全確認、体調確認、刺激を抑えた対応の順で十分です。原因探しを夜中に完璧に終わらせようとすると、親子ともに目がさえてしまいます。
1.安全と全身状態を確認する
最初に、顔へ寝具がかかっていないか、周囲に危険な物がないかを見ます。そのうえで呼吸、顔色、呼びかけへの反応、発熱、汗、痛がる様子を確認してください。
おむつ、鼻づまり、衣類、寝室の暑さや寒さも見ます。原因が見つかったら、その不快感だけを静かに取り除きましょう。
2.夜の刺激を増やさない
体調に明らかな異変がなければ、照明を明るくせず、低い声で「ここにいるよ」「大丈夫よ」と短く声をかけます。背中へ手を添える、ゆっくりなでるなど、その子が普段落ち着く方法を試してね。
厚生労働省の睡眠ガイドは、泣いても安全が確認できる場合、一呼吸置いて様子を見る選択肢を紹介しています。すぐ抱き上げないことと、長時間放置することは別よ。泣き方が強くなる、体調がおかしい、危険な体勢になっているときは対応してください。
抱っこが必要なら、落ち着かせてから寝床へ戻します。抱っこするか見守るかを「正解・不正解」で考えず、子どもの状態と家庭で安全に続けられる方法を優先しましょう。
3.翌朝に一行だけ記録する
夜中に細かな記録を作る必要はありません。翌朝、次の項目をスマートフォンや紙へ一行残すだけでも、数日後には傾向が見えやすくなります。
- 起床、昼寝、就寝、夜泣きの時刻
- 泣いていたおおよその長さ
- 発熱、鼻水、咳、便秘などの体調
- 食事、水分、尿の変化
- 保育園行事、外出、来客など普段との違い
- 何をしたら落ち着いたか
「雨の日だけ」「昼寝が遅い日だけ」のような傾向が見つかるとは限りません。何も見つからなかったとしても、親の接し方だけが原因だと自分を責めないための材料になります。
4.寝る前の流れを短く固定する
米国小児科学会は、幼児の就寝準備について、静かで予測できる流れを毎晩繰り返す方法を勧めています。入浴、着替え、歯みがき、絵本、消灯など、家庭で続けられる短い順番に整えましょう。
大切なのは豪華な寝かしつけではなく、「次に何が起こるか」が分かること。春の新生活や夏の帰省などで時間がずれる日も、絵本から消灯までの順序だけ守る方法なら続けやすいわ。
5.保護者の休息を具体的に分ける
夜泣きが続くと、保護者の睡眠も細切れになります。厚生労働省も、養育者が睡眠を確保することは心身の健康を守るうえで重要だとしています。
「できる人が対応する」ではなく、前半と後半を交代する、休日の朝は片方が眠る、翌日運転する人を先に休ませるなど、時間で決めてみてね。公平さを一晩ごとにそろえるより、家族全体が倒れない仕組みをつくることが先です。
怒鳴りそう、強く揺さぶりそうと感じたら、子どもを危険物のない安全な寝床へ置き、いったん短時間離れて家族へ交代を求めてください。子どもを強く揺さぶる、口を塞ぐ、危険な場所へ放置することはしないでね。
夜泣きで受診する目安は?
受診の判断では、泣いた回数よりも、呼吸、意識、顔色、水分摂取、強い痛みを優先します。厚生労働省の救急案内に基づき、緊急度を三段階で分けると迷いを減らせるわ。
今すぐ119番を考える症状
次のような症状は、朝まで様子を見る夜泣きではありません。厚生労働省は、子どもにこれらの症状がある場合、すぐ救急車を呼ぶ目安として示しています。
- 唇が紫色、または顔色が明らかに悪い
- 激しい咳やゼーゼーがあり、呼吸が苦しそう
- 呼吸が弱い
- 呼びかけへの反応が乏しく、意識がはっきりしない
- 激しい嘔吐や下痢で水分が取れず、意識もはっきりしない
- 激しい腹痛で苦しがる
- 嘔吐が止まらない
- 便に血が混じる
- 手足が硬直している、けいれんしている
迷っている間にも呼吸や反応が悪くなるなら、119番へ連絡してください。救急車が来るまでの対応は、通信指令員の案内に従います。
当日中に小児科へ相談したい症状
緊急症状には該当しなくても、次の変化がある場合は、診療時間内の小児科や地域の夜間診療へ相談しましょう。
- 発熱に加えて、普段と違う激しい泣き方がある
- 水分や食事が減り、尿の回数や量も少なくなっている
- 嘔吐や下痢を繰り返している
- 耳を気にする、横になると泣くなど痛みが疑われる
- 咳や鼻づまりが強く、眠れない状態が続く
- 抱っこや声かけでも長く落ち着かず、明らかに様子が違う
- 保護者から見て「いつもの夜泣きではない」と感じる
休日や夜間に受診すべきか迷ったときは、全国共通の子ども医療電話相談「#8000」を利用できます。小児科医師や看護師から、症状に応じた対応や受診について助言を受けられますが、実施時間は都道府県によって異なるため確認が必要です。
継続するなら通常診療で相談したい状態
夜泣きだけで緊急性がなくても、数週間続いて生活に大きく影響しているなら、健診や小児科で相談してよい問題です。
毎晩の大きないびき、呼吸が止まるような様子、極端な寝汗、日中の強い眠気や不機嫌がある場合も伝えてください。夜泣きの時刻、睡眠時間、昼寝、食事、水分、排便、体調を記録しておくと状況を共有しやすくなります。
保護者の睡眠不足で運転、仕事、家事、子どもへの対応に支障が出ている場合も、相談する理由になります。子どもの症状が軽く見えても、家庭で安全に対応し続けられないなら、支援を求めていいのよ。
1歳8ヶ月の夜泣き復活をどう見る?筆者の考察
公的機関、睡眠医学の専門学会、企業調査を比較すると、三つの情報を分けて読む必要があるとわたしは考えます。
第一に、乳幼児期の睡眠はまだ不安定になりやすいという公的な説明があります。第二に、1~2歳の睡眠時間には11~14時間という専門学会の目安があります。第三に、企業調査からは1歳6ヶ月以降まで夜泣きを経験した家庭があると分かります。
しかし、これらを組み合わせても、「1歳8ヶ月だから夜泣きが復活する」「イヤイヤ期だから泣く」とまでは言えません。月齢、推奨睡眠時間、家庭の体験談は、それぞれ意味の違う情報だからです。
わたしは、ここを混ぜないことがこの記事のいちばん大切なポイントだと感じています。「成長の証だから大丈夫」と安心させすぎれば病気のサインを見逃すかもしれず、「この月齢で泣くのは異常」と決めれば、保護者を必要以上に追い詰めてしまいます。
見るべきなのは、カレンダー上の月齢よりも変化の組み合わせよ。夜泣きに発熱や呼吸の変化が加わったのか、昼寝や就寝時刻だけが変わったのか、昼間は元気なのか。この三つを切り分けると、今夜できることと受診すべきことが見えやすくなります。
また、夜泣きをゼロにすることだけを成功としない視点も必要です。子どもの安全を守れた、保護者が交代で2時間眠れた、体調の変化を記録できた。それも十分に意味のある前進よ。
今後も「1歳8ヶ月の夜泣き」に一律の終了日が示されるとは考えにくく、個々の睡眠時間、身体症状、家庭環境を合わせて判断する姿勢が基本になるでしょう。筆者としては、月齢別の呼び名を増やすより、保護者が緊急症状と通常の夜間覚醒を分けられる情報のほうが、暮らしの中で役立つと考えます。
まとめ
1歳8ヶ月で夜泣きが復活することはあり得ますが、月齢だけで正常か異常かを決めることはできません。イヤイヤ期との直接的な因果関係も明確ではないため、睡眠時間、生活リズム、寝室環境、体調を分けて確認しましょう。
今夜は安全と呼吸、顔色、反応を最初に見て、問題がなければ照明や声かけを控えた静かな対応を試してね。数日間の簡単な記録と家族の交代は、原因と負担を整理する助けになります。
唇が紫色、呼吸が苦しい、反応が弱い、激しい腹痛や止まらない嘔吐などがあれば、夜泣きと判断せず119番を考えてください。判断に迷う休日・夜間は#8000、長引く夜泣きや大きないびきは通常診療の小児科へ相談しましょう。
夜泣きの復活は、保護者の接し方が間違っていた証拠ではありません。季節が少しずつ移ろうように、子どもの眠りも行きつ戻りつ変化します。完璧に泣き止ませることより、親子の安全と休息を守れる夜を一つずつ重ねていきましょう。
よくある質問
1歳8ヶ月の夜泣きはいつまで続きますか?
終了時期を月齢だけで予測することはできません。数日から数週間の記録で、頻度や長さが減っているか、昼間の体調に変化がないかを確認し、長引いて家庭生活に支障が出る場合は小児科へ相談してください。
イヤイヤ期が終われば夜泣きも治まりますか?
必ずしも同時には治まりません。イヤイヤ期と夜泣きの直接的な因果関係は明確ではなく、睡眠時間、寝室環境、鼻づまりや痛みなど別の要因も確認する必要があります。
夜泣きしたらすぐ抱っこするべきですか?
毎回すぐ抱っこしなければならないわけではありません。安全と体調を確認し、泣き方が弱くなっているなら、そばで一呼吸置いて見守る選択肢もあります。泣き方が強まる、呼吸や顔色がおかしい、痛がる場合はすぐ状態を確認してください。
参照資料
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「こどもの睡眠」
- 米国睡眠医学会「Recommended Amount of Sleep for Pediatric Populations」
- 米国小児科学会「Toddler Bedtime Trouble: 7 Tips for Parents」
- 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
- 厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)」
- 大王製紙「夜泣きはいつから始まり、いつまで続く?原因と対処法を解説」
※2026年8月13日に内容を確認。本稿は公表資料を基にした一般的な情報であり、診断を行うものではありません。個別の症状は小児科医へご相談ください。医療監修は受けていません。
執筆:東雲 朝陽(ライフスタイルライター)

