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1歳で夜泣きが増えるのは成長のサイン?急に回数が増えた理由を解説

夜中に泣く1歳児を落ち着いて見守る保護者と柔らかな月明かりの寝室 夜泣き

1歳で夜泣きが増えるのは発達や環境変化と重なることがありますが、成長のサインと断定はできません。体調や睡眠環境も確認しましょう。

歩行や自我の発達、分離不安、保育園への入園、昼寝の変化などが主なきっかけです。一方で、発熱、鼻づまり、暑さ、かゆみなどの不快感によって、急に夜泣きが増える場合もあります。

1歳で夜泣きが増えるのは成長のサイン?

発達と夜泣きの増加が同じ時期に起こることはありますが、夜泣きそのものを成長の証拠とは判断できません。

1歳前後は、体の動き、言葉の理解、感情、人との関わり方が大きく変わる時期です。

つかまり立ちから一人歩きへ進んだり、「自分でやりたい」という気持ちが強くなったりすると、日中に受け取る刺激も増えます。

また、生後半年を過ぎた頃から見られる分離不安は、夜間の睡眠にも影響することがあります。米国小児科学会が運営する育児情報サイトでも、乳児期後半からの分離不安によって、子どもが夜中に何度も目を覚まし、保護者を求めて泣く場合があると説明されています。HealthyChildren.org

ただし、夜泣きが増えた理由は発達だけとは限りません。

まずは次の六つに分けて考えると、家庭でも原因を整理しやすくなります。

  • 発達による興奮や分離不安
  • 保育園や引っ越しなどの環境変化
  • 昼寝や起床時刻の変化
  • 寝かしつけ条件の変化
  • 暑さ、寒さ、寝具などの不快感
  • 発熱、鼻づまり、痛みなどの体調不良

夜泣きは、原因を一つ当てるクイズではありません。

複数の要因が重なることもあるため、「最近何が変わったか」「日中にも異変があるか」を順番に確認することが大切です。


1歳で夜泣きが急に増える六つの原因とは?

1歳の夜泣きが急に増えたときは、それぞれの原因を「見分ける手がかり」と「家庭でできること」に分けて考えましょう。

考えられる原因 見分ける手がかり 家庭でできること
発達や分離不安 歩き始めた、後追いが強い 安心できる声かけや習慣を保つ
環境の変化 入園、復職、引っ越し後に増えた 就寝前の手順を変えすぎない
昼寝の変化 昼寝が遅い日に寝つきが悪い 起床・昼寝・就寝時刻を記録する
入眠条件の変化 断乳や寝室変更後に増えた 新旧の習慣を急に入れ替えない
睡眠環境の不快感 汗、冷え、おむつ、寝具の乱れ 体幹や寝床を確認する
体調不良 発熱、咳、鼻づまり、食欲低下 症状に応じて医療機関へ相談する

発達や分離不安で夜中に目を覚ましている

歩行や感情の発達、分離不安が強くなる時期には、夜中に保護者を探して泣くことがあります。

1歳頃になると、行ける場所や触れられる物が急に増えます。

外出、人との交流、遊びの内容も広がり、毎日たくさんの情報に触れるようになります。

ただし、「昼間の刺激を脳が整理できないから必ず夜泣きする」といった単純な因果関係で説明することはできません。

見分ける手がかりは、歩き始めた、後追いが増えた、保護者の姿が見えなくなると強く泣くなど、日中にも発達上の変化が現れていることです。

この場合は、泣くことを止めるよりも、眠る前と目覚めた直後に「ここにいるよ」と安心を伝える対応が向いています。

部屋を明るくしすぎず、短い声かけや背中への優しい接触から始めましょう。

保育園や復職などの環境変化に緊張している

入園、復職、引っ越し、帰省などの後に夜泣きが増えた場合は、生活環境の変化が影響している可能性があります。

大人にとっては予定していた変化でも、1歳児には新しい音、匂い、人、食事、生活時間が一度に押し寄せます。

保育園で泣かずに過ごしているからといって、まったく緊張していないとは限りません。

家に帰ってから甘えが強くなったり、夜中に保護者の姿を確認するように泣いたりすることもあります。

見分ける手がかりは、環境が変わった直後から始まったこと、休日より登園日の夜に増えること、帰宅後に抱っこを求める時間が長くなったことです。

対策は、生活のすべてを一度に変えないことです。

入園した週に断乳や寝具の変更まで重ねるのではなく、寝る前の絵本、歌、声かけなど、慣れた習慣を残しましょう。

変化の多い日ほど、昨日と同じ小さな手順が子どもの安心につながります。

※画像はAIによるイメージ

昼寝の回数や時刻が変わっている

昼寝が遅くなった日や、昼寝の移行期には、寝つきや夜間の覚醒が不安定になることがあります。

1歳前後は、昼寝の回数や長さが変化しやすい時期です。

午前と午後に眠っていた子が昼寝1回へ移る途中では、夕方に疲れすぎたり、反対に遅い時間まで眠って夜の寝つきが遅れたりします。

なお、米国疾病予防管理センターは、1~2歳児の睡眠時間について、昼寝を含めて24時間当たり11~14時間を一つの目安として紹介しています。ただし、必要な睡眠時間や配分には個人差があります。疾病管理予防センター

合計時間だけで「足りている」「足りていない」と決めず、朝の機嫌、日中の眠気、昼寝の時刻、夜の寝つきを合わせて見ましょう。

原因を見分けるには、3~7日ほど次の項目を記録すると役立ちます。

  • 朝に起きた時刻
  • 昼寝を始めた時刻
  • 昼寝から起きた時刻
  • 寝室へ入った時刻
  • 夜中に泣いた時刻
  • 泣いていたおおよその長さ
  • 登園、外出、発熱などの出来事

記録は、理想どおりに育児ができたかを採点するものではありません。

「昼寝が夕方にずれた日だけ寝つきが悪い」「外出した日の最初の覚醒が早い」といった、その子なりの傾向を見つけるための地図です。

寝かしつけの条件が変わった

断乳、抱っこの中止、寝室の変更などを境に夜泣きが増えた場合は、眠るときの条件の変化が関係していることがあります。

子どもは、授乳、抱っこ、子守歌、保護者の声などを安心材料として眠っている場合があります。

夜中に浅く目覚めたとき、眠りについたときと状況が大きく違えば、驚いて泣くこともあるでしょう。

これは、授乳や抱っこで寝かせたことが間違いだったという意味ではありません。

また、1歳になったという理由だけで、すべての家庭に夜間断乳が必要になるわけでもありません。

食事量、発育、授乳の状況、保護者の体調はそれぞれ異なります。断乳を検討するときは、年齢だけで決めず、必要に応じて小児科医や助産師へ相談してください。

寝かしつけを変える場合は、急に安心材料をすべてなくすのではなく、抱っこから声かけへ移すなど、無理のない段階を踏む方法があります。

暑さや寝具などに不快感がある

首や背中の汗、おむつ、衣服の締めつけ、鼻づまりなどが原因で、眠りが中断される場合があります。

「室温は何度が正解」と一つの数字だけで判断することはできません。

季節、湿度、服装、寝具、住宅の断熱性によって、子どもが感じる暑さや寒さは変わるからです。

夜泣きが増えたら、次の順で確認しましょう。

  • 首や背中が汗ばんでいないか
  • 胸や背中が冷えすぎていないか
  • おむつが濡れていないか
  • パジャマのゴムや縫い目が当たっていないか
  • 鼻づまりや咳で呼吸しにくくないか
  • 寝具が顔にかかっていないか
  • 寝床の周囲に危険な物がないか

特に1歳になったばかりの子は、月齢や発達状況に応じて安全な寝床を整える必要があります。

こども家庭庁は1歳未満の安全な睡眠環境として、硬く平らな寝具を使うこと、掛け布団ではなく着る物や空調で温度を調節すること、寝床にぬいぐるみやタオルなどを置かないことを案内しています。1歳前後でも、顔を覆う物や挟まりにつながる製品を避け、安全を優先する考え方は重要です。CFAJapan+1

ベッドガードなどの製品には対象年齢があります。説明書を確認し、年齢に合わない製品を自己判断で使用しないようにしましょう。

発熱や痛みなどの体調不良が隠れている

急に激しい夜泣きが始まり、日中にも異変がある場合は、成長より体調不良を優先して考えます。

1歳児は、耳が痛い、喉が苦しい、おなかが張る、皮膚がかゆいといった不快感を言葉で説明できません。

横になることで鼻づまりや咳がつらくなったり、夜間に痛みを強く感じたりすることもあります。

次のような様子がないか確認してください。

  • 発熱がある
  • 呼吸が苦しそう、息が速い
  • 咳や鼻づまりが強い
  • 耳を繰り返し触る
  • 嘔吐や下痢がある
  • 水分を十分に取れない
  • 尿が明らかに少ない
  • 発疹や強いかゆみがある
  • 触られることを強く嫌がる
  • 日中も元気や食欲がない

普段と違う鋭い泣き方や、何をしても落ち着かない状態が続く場合は、「夜泣きだから」と決めつけず医療機関へ相談しましょう。


1歳の夜泣きが増えたときの対策は?

対策の基本は、体調と安全を確認したうえで、朝の時刻と就寝前の流れを整えることです。

一度に多くの方法を試すと、何が合っていたのか分からなくなります。

まずは負担の少ない一つか二つを選び、子どもの様子を見ながら続けましょう。

朝の光を取り入れて起床時刻を整える

生活リズムを見直すときは、就寝時刻だけでなく、朝起きる時刻にも注目します。

夜泣きの翌朝は長く寝かせたくなりますが、朝の時刻が日によって大きくずれると、昼寝や夜の眠気もずれやすくなります。

体調に問題がなければ、無理のない範囲で起床時刻をそろえ、カーテンを開けて朝の光を取り入れましょう。

厚生労働省の睡眠指針に関する検討では、子どもの生活習慣として、日中に光を浴びること、朝食を取ること、体を動かすこと、スクリーンタイムを減らすことなどが挙げられています。厚生労働省

ただし、発熱している日や著しく睡眠が不足した日は、予定より休息を優先してください。

就寝前の流れを毎日ほぼ同じにする

寝る前の手順がある程度決まっていると、子どもは次に何が起こるかを予測しやすくなります。

例えば、次のような短い流れで十分です。

  • 部屋の照明を少し落とす
  • おむつを替えてパジャマを着る
  • 絵本を1冊読む
  • 同じ歌や言葉を伝える
  • 寝床へ移る

重要なのは、豪華な方法を用意することではありません。

「絵本が終わったら眠る時間」と分かるように、無理なく繰り返せる順番をつくることです。

米国小児科学会の育児情報でも、幼児の就寝時には静かな習慣を設け、一貫して続けることが勧められています。HealthyChildren.org

毎日同じ時刻にできなくても、順番が似ていれば取り入れやすいでしょう。

※画像はAIによるイメージ

寝る直前の強い刺激を減らす

就寝直前まで激しく体を動かしたり、明るい画面を見続けたりすると、落ち着くまでに時間がかかる子もいます。

寝る前は、追いかけっこや大きな音の遊びから、絵本、静かな歌、穏やかな会話へ徐々に切り替えましょう。

家事のために動画を使う日があっても、保護者が自分を責める必要はありません。

できる日から、寝室へ入る少し前に画面を終えるなど、続けられる範囲で調整してください。

夜中は対応の順番を決めておく

夜泣きのたびに授乳、抱っこ、動画、ドライブなどを次々に変えると、保護者も疲れ、子どもも完全に目を覚ましやすくなります。

家庭内で、次のような基本の順番を決めておくと対応しやすくなります。

1. 呼吸、発熱、汗、おむつなどを確認する
2. 照明をつけずに短く声をかける
3. 背中を優しくさすって様子を見る
4. 強く泣き続ける場合は抱っこする
5. 体調不良が疑われる場合は受診相談を検討する

目を閉じたまま短く泣き、すぐ静かになる場合は、完全に起こさず様子を見る方法もあります。

一方、強く泣き続けている、保護者を探している、呼吸や顔色がおかしい場合は、決めた順番に固執せず対応してください。

保護者が眠れる仕組みもつくる

夜泣きが続くときは、子どもの睡眠だけでなく、保護者の休息も守らなければなりません。

対応できる大人が複数いる場合は、前半と後半で交代する、曜日ごとに担当を決めるなど、まとまって眠れる時間をつくりましょう。

一人で育児を担っている場合は、昼間に家族や支援者へ預けて横になること、一時保育や自治体の育児相談を利用することも選択肢です。

怒鳴りそう、乱暴に扱いそうと感じたときは、子どもを安全な寝床へ置き、短時間その場を離れて構いません。

深呼吸をし、水を飲み、落ち着いてから戻りましょう。限界を超えて抱き続けるより、安全を確保して助けを求めるほうが大切です。


1歳の夜泣きで受診を考える目安は?

発熱や呼吸異常、脱水の兆候、普段と違う激しい泣き方がある場合は、夜泣きとして様子を見続けず医療機関へ相談します。

特に次のような場合は、早めの相談を検討してください。

  • 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
  • ぐったりして反応が弱い
  • 水分を取れない
  • 尿が長時間出ていない、明らかに少ない
  • 嘔吐を繰り返す
  • 激しく泣き続け、普段と様子が違う
  • 強い痛みが疑われる
  • 発熱や咳などの症状が続いている
  • 日中も元気がなく食欲が落ちている

呼吸が明らかに苦しそう、意識や反応がおかしいなど、緊急性が疑われる場合は、夜間でも救急相談や医療機関を利用してください。

緊急性は高く見えなくても、夜泣きが何日も続き、家族が疲弊している場合は相談して構いません。

受診時には、夜泣きが増えた時期、回数、泣いていた長さ、昼寝、食事、排便、発熱の有無を伝えると状況を共有しやすくなります。

安全に撮影できる余裕があれば、泣き方や体の動きが分かる短い動画が参考になることもあります。ただし、撮影より安全確認を優先してください。


1歳の夜泣きを家庭で切り分ける考え方

夜泣きが増えると、「保育園へ入れたせい」「抱っこで寝かせたせい」と、一つの選択を原因にしたくなるものです。

しかし、1歳児の睡眠は、発達、気質、体調、昼寝、室温、家族の生活などが重なって変化します。

わたしが保育の現場で子どもたちの暮らしを見てきたなかでも、同じ年齢、同じ生活時間でありながら、眠り方は一人ひとり異なっていました。

そこでおすすめしたいのが、原因を次の順番で切り分ける方法です。

1. 緊急性のある体調不良がないか
2. 暑さ、鼻づまり、おむつなどの不快感がないか
3. 入園や断乳など直近の変化がないか
4. 昼寝や起床時刻に偏りがないか
5. いつもの寝かしつけで安心できているか

この順番にする理由は、まず安全と体調を優先し、その後に生活習慣を見直すためです。

「成長の時期だから仕方がない」と考えるだけでは、痛みや不調を見落とす可能性があります。

反対に、夜中に泣くたびに病気を疑い続ければ、保護者の不安は大きくなるでしょう。

成長と重なる可能性を認めながら、身体的不快感を一つずつ除外する。この両方の視点を持つことが、1歳の夜泣きと向き合ううえで重要だとわたしは考えます。

子どもの眠りを一晩で完成させる必要はありません。

「一度も泣かない夜」だけを目標にせず、泣いたときに安全を確認できること、再び安心して眠れること、保護者が交代で休めることも、大切な改善です。

※画像はAIによるイメージ

まとめ

1歳で夜泣きが増えるのは、歩行や自我の発達、分離不安、保育園への入園などと重なることがあります。

ただし、夜泣きが増えたことだけで「成長のサイン」と断定することはできません。

まず発熱や呼吸、痛みなどの体調を確認し、次に暑さ、寝具、おむつ、鼻づまりといった不快感を調べましょう。

明らかな不調がなければ、直近の環境変化、昼寝の時刻、起床時刻、寝かしつけの条件を数日間記録すると、原因を見分けやすくなります。

家庭で試しやすい対策は、朝の光を取り入れること、起床時刻を大きくずらさないこと、寝る前の流れをそろえること、夜中の対応手順を決めておくことです。

それでも夜泣きが続く場合がありますが、すぐに改善しないことは保護者の努力不足を意味しません。

普段と違う症状があるときや、家族の睡眠不足が限界に近づいているときは、小児科、保健師、自治体の育児相談などを頼ってください。


よくある質問

1歳で夜泣きが急に増えるのは珍しいことですか?

発達、分離不安、入園、昼寝の変化などが重なる時期には、夜間に泣く回数が増えることがあります。

ただし、急な増加では発熱、鼻づまり、暑さ、痛みなどの不調も確認してください。

1歳の夜泣きはいつまで続きますか?

落ち着く時期を年齢だけで予測することはできません。

日ごとの回数だけでなく、泣く時間が短くなる、声かけで再び眠れる、安定した日が増えるといった変化も見ていきましょう。長く続き、日中の生活や家族の健康に影響している場合は、小児科や保健師へ相談してください。

夜泣きしたらすぐ抱っこするべきですか?

目を閉じたまま短く泣いている場合は、声かけや背中をさする対応から始めてもよいでしょう。

強く泣き続ける、保護者を探している、体調が悪そうな場合は抱っこし、安全と体調を確認してください。

夜泣きが増えたら夜間断乳が必要ですか?

1歳になったことだけを理由に、夜間断乳が必ず必要になるわけではありません。

食事量、発育、授乳状況、保護者の負担を含めて判断し、迷う場合は小児科医や助産師へ相談しましょう。

東雲 朝陽(しののめ・あさひ)